ドラムを始めたけれど「8ビート以外のパターンがわからない」「曲に合ったリズムを選べない」という悩みはありませんか?ドラムのリズムパターンは膨大にありますが、基本の20パターンを押さえれば、ポップス・ロック・ジャズ・ファンク・ラテンなど主要ジャンルのほとんどに対応できます。川口のコアミュージックスクールでも、この基本パターンをベースにレッスンを進めています。この記事では、ジャンル別に厳選した20のリズムパターンを、テキスト譜面とBPMガイド付きで解説します。
リズムパターンを読むための基礎知識
この記事では、ドラム譜の読み方がわからない方でも理解できるよう、テキスト形式でパターンを表記します。各パターンは1小節(4拍)を基本とし、以下の略称を使います。
HH=ハイハット、SD=スネアドラム、BD=バスドラム、RD=ライドシンバル、CR=クラッシュシンバル。拍の位置は「1 & 2 & 3 & 4 &」で表し、「&」は裏拍を示します。「x」が叩く位置、「-」が休みです。
ロック・ポップス系(パターン1〜8)
パターン1:ベーシック8ビート(BPM 100〜130)
あらゆるドラムパターンの基礎中の基礎です。ハイハットを8分音符で刻みながら、2拍目と4拍目にスネア、1拍目と3拍目にバスドラムを入れます。
HH: x-x-x-x-x-x-x-x-
SD: —-x——-x—
BD: x——-x——-
Back In Black(AC/DC)やBillie Jean(Michael Jackson)などで使われている、最も普遍的なパターンです。まずはBPM 100で安定して叩けることを目指しましょう。
パターン2:バスドラムパターン変形8ビート(BPM 100〜140)
基本8ビートのバスドラムを「1拍目・3拍目の裏・4拍目」に配置したバリエーションです。バスドラムのパターンが変わるだけで、グルーヴ感が大きく変化します。
HH: x-x-x-x-x-x-x-x-
SD: —-x——-x—
BD: x———x-x—
パターン3:ドライブ8ビート(BPM 130〜160)
バスドラムを8分音符で連打するパワフルなパターンです。パンクロックやハードロックでよく使われます。体力が必要なので、まずはゆっくりのテンポから練習してください。
パターン4:ベーシック16ビート(BPM 80〜110)
ハイハットを16分音符で細かく刻むパターンです。R&Bやファンク寄りのポップスで多用されます。右手のスピードと持久力が求められます。
HH: xxxxxxxxxxxxxxxx
SD: —-x——-x—
BD: x——-x-x—–
パターン5:ハーフタイム(BPM 130〜160)
スネアを3拍目だけに配置するパターンです。BPMが速くてもゆったりとした印象を与えます。バラードのサビや、ヒップホップ系のビートでよく使われます。
パターン6:フォービート風ロック(BPM 100〜130)
バスドラムを4つ踏みにした、いわゆる「四つ打ち」パターンです。EDM系のポップスやダンスロックの定番です。
HH: x-x-x-x-x-x-x-x-
SD: —-x——-x—
BD: x—x—x—x—
パターン7:オープンハイハット8ビート(BPM 90〜120)
基本8ビートの特定箇所でハイハットをオープンにするパターンです。4拍目の裏でオープンにして1拍目でクローズする「チッチッチッチー、チッチッチッチー」というパターンが定番です。
パターン8:ゴーストノート入り16ビート(BPM 80〜100)
スネアの音量を極端に落とした「ゴーストノート」を加えることで、グルーヴ感が飛躍的に増すパターンです。R&Bやネオソウルの名ドラマーが多用するテクニックです。
ジャズ系(パターン9〜12)
パターン9:スウィングの基本(BPM 120〜180)
ジャズドラムの最も基本的なパターンです。ライドシンバルで「チーンチキ、チーンチキ」というスウィングのリズムを刻み、ハイハットは2拍目と4拍目にフットペダルで踏みます。
RD: x–x-x–x–x-x–(3連符ベース)
HH foot: –x—x—x—x-
※スネアとバスドラムはコンピング(即興的なアクセント)
パターン10:ブラシスウィング(BPM 80〜140)
スティックの代わりにブラシを使うジャズバラードの定番パターンです。左手でスネア上を円を描くように擦り、右手でライドパターンを刻みます。
パターン11:ファストスウィング(BPM 200〜280)
テンポの速いジャズで使うパターンです。ライドのレガートパターンを維持しながら、バスドラムは4つ踏みで軽くフェザリング(極小音量でペダルを踏む)します。
パターン12:ジャズワルツ(BPM 120〜180)
3/4拍子のスウィングパターンです。「チーンチキチ」の3拍子をライドで刻みます。ワルツの優雅さとスウィングのグルーヴが融合した独特のリズムです。
ファンク・R&B系(パターン13〜16)
パターン13:ベーシックファンク(BPM 90〜110)
16ビートのハイハットにシンコペーション(拍の位置をずらすこと)を多用したファンクの基本パターンです。James Brownの楽曲で多く聴けるスタイルです。
パターン14:ハーフタイムシャッフル(BPM 90〜110)
Rosanna(TOTO)のJeff Porcaroが有名にした、ドラムの名パターンの一つです。シャッフル(3連符の中抜き)のハイハットにゴーストノートを加えた複雑なグルーヴです。中級者以上の課題となるパターンですが、これが叩けると表現の幅が大きく広がります。
パターン15:リニアファンク(BPM 85〜100)
ハイハット・スネア・バスドラムが同時に鳴る瞬間がない「リニア」なパターンです。各パーツが交互に鳴るため、非常にクリアで歯切れの良いグルーヴになります。
パターン16:ニューオーリンズセカンドライン(BPM 100〜120)
ニューオーリンズ特有の、スネアで独特のシンコペーションを叩くパターンです。「タカタン、タカタン」というバウンス感のあるリズムが特徴です。
ラテン・ワールド系(パターン17〜20)
| パターン | ジャンル | BPM目安 | 特徴 | 代表曲・アーティスト |
|---|---|---|---|---|
| 17. ボサノバ | ブラジル | 120〜140 | クロスステックでリムを叩く柔らかいリズム | Garota de Ipanema |
| 18. サンバ | ブラジル | 100〜130 | バスドラムのパターンが複雑で躍動的 | Mas Que Nada |
| 19. レゲエ(ワンドロップ) | ジャマイカ | 70〜90 | 1拍目を抜き3拍目にアクセント | Bob Marley |
| 20. シャッフル(12/8) | ブルース | 80〜120 | 3連符ベースの跳ねるリズム | Pride and Joy (SRV) |
パターン17:ボサノバ(BPM 120〜140)
ボサノバのドラムパターンでは、スネアをスティックではなくクロスステック(リムショット)で叩き、柔らかいサウンドを出します。ハイハットの代わりにブラシやロッドを使うこともあります。バスドラムは基本的に踏まず、軽くフェザリングする程度です。右足は主にハイハットのペダルで拍を刻みます。
パターン18:サンバ(BPM 100〜130)
サンバのドラムキットアダプテーションでは、バスドラムが特徴的な「ドドン、ドドン」というシンコペーションパターンを刻みます。右手はライドシンバルのカップ部分を叩いて甲高い音を出し、左手でリムショットを加えます。
パターン19:レゲエ(ワンドロップ)(BPM 70〜90)
レゲエの最も代表的なパターン「ワンドロップ」は、1拍目にバスドラムもスネアも叩かないのが特徴です。3拍目にバスドラムとスネア(リムショット)を同時に叩き、ハイハットは8分音符で刻みます。「空間」を活かすことがレゲエドラムの醍醐味です。
パターン20:12/8シャッフル(BPM 80〜120)
ブルースの基本リズムです。ハイハットを3連符の1つ目と3つ目で刻む「チッチ・チッチ・チッチ・チッチ」という跳ねたパターンです。SRV(スティーヴィー・レイ・ヴォーン)やB.B.キングの楽曲で必須のリズムです。
効率的な練習の進め方
20パターンを一度に練習するのは非効率です。以下の順番で段階的に取り組むことをおすすめします。
第1段階(1〜2ヶ月目):パターン1、2、4、6を完璧にする。ロック・ポップスの基本をカバーします。
第2段階(3〜4ヶ月目):パターン5、7、8、13、20を追加。表現の幅を広げます。
第3段階(5〜6ヶ月目):パターン9、14、17、19に挑戦。ジャンルの壁を越えます。
第4段階(7ヶ月目〜):残りのパターンと、各パターンのバリエーションに取り組みます。
まとめ:リズムパターンは引き出しの数が勝負
ドラマーの実力は、叩けるリズムパターンの「引き出し」の数で決まります。まずはこの20パターンを確実に自分のものにして、どんなジャンルのセッションにも対応できるドラマーを目指しましょう。コアミュージックスクールのドラムレッスンでは、一人ひとりの目標に合わせてパターンの優先順位をカスタマイズし、効率的な上達をサポートします。






