マスタリング入門 – 楽曲を完成させる最終工程の基本

ミックスを終えた楽曲を配信サービスやCDとしてリリースする前に、もう1つ重要な工程があります。それがマスタリングです。マスタリングは楽曲制作の最終仕上げであり、プロの音源とアマチュアの音源を分ける大きなポイントでもあります。

この記事では、DTM初心者の方に向けて、マスタリングの基本的な考え方と手順を川口のコアミュージックスクールの知見をもとに解説します。

マスタリングとは?ミックスとの違い

ミックスが各トラック(ボーカル、ギター、ドラムなど)のバランスを整える作業であるのに対し、マスタリングはミックス済みのステレオファイル(2MIX)に対して行う最終調整です。

マスタリングの主な目的は3つあります。音量の最適化(配信プラットフォームの基準に合わせる)、音質の最終調整(全体的な周波数バランスを整える)、そしてアルバム全体の統一感(複数曲の音量や質感を揃える)です。

マスタリングの基本的な処理チェーン

マスタリングで使用するエフェクトと、一般的な処理順序を紹介します。

順序 処理 目的
1 リニアフェーズEQ 全体の周波数バランスを微調整
2 マルチバンドコンプ 帯域ごとのダイナミクス制御
3 ステレオイメージャー 左右の広がりを調整
4 リミッター 最終音量を決定、クリッピング防止
5 ディザリング ビットデプスを下げる際のノイズ処理
スタジオモニターとDTM環境
マスタリングでは微細な音の違いを聴き分ける環境が重要。モニター環境を整えよう

ラウドネスとは?配信時代の音量基準

ストリーミング配信が主流の現在、マスタリングで特に重要なのがラウドネス(音圧)の管理です。Spotify、Apple Music、YouTubeなどのプラットフォームでは、それぞれラウドネスノーマライゼーションが適用されるため、単に音量を上げればいいという時代ではありません。

各プラットフォームの基準は概ね-14 LUFS前後です。これを大幅に超える音量でマスタリングすると、プラットフォーム側で音量が下げられ、かえってダイナミクスが損なわれた音源として再生されてしまいます。

AIマスタリングサービスは使えるのか?

LANDRiZotope OzoneのAIアシスタント機能など、AIを活用したマスタリングツールが普及しています。これらは手軽に一定のクオリティを得られる便利なツールですが、万能ではありません。

AIマスタリングは「平均的な仕上がり」を得るには優れていますが、楽曲の意図やジャンルの文脈を深く理解した上での判断は人間のエンジニアに軍配が上がります。初心者の方は、まずAIツールで仕上げてみて、その結果を参考にしながら手動マスタリングを学んでいくのが効率的です。

マスタリング前のミックスが重要

マスタリングはあくまで「最終調整」であり、ミックスの段階で大きな問題がある場合はマスタリングでカバーしきれません。良いマスタリングの前提は良いミックスです。

マスタリングに出す前のミックスでは、ピーク値を-3dB〜-6dBに収め、マスターバスにリミッターやマキシマイザーをかけない状態で書き出すのが基本です。

川口のコアミュージックスクールでは、DTMレッスンでミックスからマスタリングまでの一連の工程をプロの講師が指導しています。自分の楽曲を持ち込んで実践的にスキルアップしたい方は、ぜひ無料体験レッスンをご利用ください。

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