「さあ歌おう!」と意気込んでいきなり全力で歌い始めていませんか?実はそれ、声帯にとって非常に危険な行為です。スポーツ選手がいきなり全力疾走しないのと同じように、歌う前のウォーミングアップは美しい歌声と喉の健康を守るために欠かせません。
この記事では、プロのボーカリストも実践している歌う前のウォーミングアップ5選をご紹介します。どれも自宅で簡単にできるものばかりですので、ぜひ毎日の練習に取り入れてみてください。
なぜウォーミングアップが必要なのか?
声帯は非常に繊細な筋肉組織です。ウォーミングアップなしで歌うと、以下のようなリスクがあります。
- 声帯結節(のどのポリープ):声帯に負荷がかかり、こぶのような突起ができてしまう
- 声枯れ・声の疲労:歌った後に声がガラガラになる
- 音域の制限:本来出せる高音・低音が出なくなる
- ピッチの不安定:音程がブレやすくなる
適切なウォーミングアップを行うことで、声帯周辺の筋肉が温まり、血流が良くなります。その結果、声帯がスムーズに振動し、より豊かで安定した声を出すことができるのです。
ウォーミングアップ① リップトリル(リップロール)
やり方
唇を軽く閉じた状態で息を吐き、唇を「ブルルルル…」と震わせます。慣れてきたら、音程をつけてドレミファソラシドと上下させましょう。
効果
リップトリルは声帯への負担がとても軽い発声法です。息の流れを安定させる効果があり、横隔膜の使い方を自然に身につけることができます。唇の震えが止まってしまう場合は、両手の人差し指で頬を軽く持ち上げてみてください。
目安時間
低音域から高音域まで往復して約2〜3分行いましょう。
ウォーミングアップ② ハミング
やり方
口を閉じたまま「ンー」と鼻から音を出します。最初は楽な音域で行い、徐々に音程を上下させていきます。鼻の奥や額のあたりに振動を感じられればOKです。
効果
ハミングは共鳴(きょうめい)を鍛える最高のエクササイズです。鼻腔や口腔を使った響きの感覚を養うことで、声が通るようになり、少ない労力で豊かな声量を実現できます。また、ハミングは声帯をリラックスさせる効果もあります。
目安時間
好きなメロディをハミングするのも良いでしょう。約2〜3分が目安です。
ウォーミングアップ③ スケール練習(ドレミ発声)
やり方
「ア」「エ」「オ」などの母音を使い、ドレミファソファミレドと音階を歌います。半音ずつキーを上げていき、自分の楽な音域から始めて、高音域まで少しずつ広げます。
効果
スケール練習は音程感覚を磨くと同時に、声帯の柔軟性を高めます。母音ごとに口の開き方が変わるため、滑舌の改善にもつながります。高音で力んでしまう場合は、無理に出そうとせず、出せる範囲で止めてください。
目安時間
各母音で上昇・下降を繰り返し、約3〜5分行いましょう。
ウォーミングアップ④ 早口言葉(タンツイスター)
やり方
以下のような早口言葉をゆっくり正確に発声します。慣れたら徐々にスピードを上げましょう。
- 「生麦生米生卵」(なまむぎ なまごめ なまたまご)
- 「赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ」
- 「隣の客はよく柿食う客だ」
- 「東京特許許可局」
効果
歌う際に重要な舌・唇・顎の筋肉を効率的にほぐすことができます。歌詞の滑舌が悪い方には特におすすめです。表情筋も動くため、表現力アップにもつながります。
目安時間
それぞれ3回ずつ繰り返して約2分が目安です。
ウォーミングアップ⑤ 呼吸エクササイズ(腹式呼吸)
やり方
背筋を伸ばして立ち(座っていてもOK)、鼻から4秒かけて息を吸います。お腹が膨らむのを感じてください。次に、口から「スーッ」と8秒かけてゆっくり息を吐きます。これを5〜10回繰り返します。
効果
歌の基本中の基本である腹式呼吸のトレーニングです。横隔膜を意識的に動かすことで、安定したブレスコントロールが身につきます。ロングトーンやフレーズの持続力が向上します。
目安時間
ゆっくり深呼吸を繰り返して約2〜3分行いましょう。
ウォーミングアップの理想的な時間は?
5つのエクササイズを合計すると、約10〜15分程度です。忙しい日はリップトリルとハミングだけでも効果的です。大切なのは、歌う前に必ず何らかのウォーミングアップを行うという習慣をつけることです。
プロのボーカリストは本番前に30分以上のウォーミングアップを行うこともあります。最初は短い時間から始めて、徐々に習慣づけていきましょう。
まとめ:ウォーミングアップで歌声が変わる
歌う前のウォーミングアップは、声を守りながらパフォーマンスを最大化するために欠かせないステップです。今回ご紹介した5つのエクササイズを日々の練習に取り入れるだけで、声の出方が格段に変わることを実感していただけるはずです。
ただし、独学では正しいフォームや力の入れ具合がわかりにくいのも事実。コアミュージックスクールのボーカルレッスンでは、現役プロ講師があなたの声の特徴に合わせて、最適なウォーミングアップ方法から本格的な歌唱テクニックまでマンツーマンで指導いたします。






