ベースの花形テクニックといえばスラップ奏法。親指で弦を叩く「サムピング」と指で弦を引っ張る「プリング(プル)」を組み合わせた、パーカッシブでファンキーな奏法です。「あのかっこいい奏法をやりたい!」とベースを始める方も少なくありません。この記事では、川口のコアミュージックスクールのベース講師が、スラップベースの基本から練習方法まで丁寧に解説します。
スラップ奏法とは?
スラップ奏法は、1960年代後半にファンクミュージックの中で生まれた奏法です。ラリー・グラハム(スライ&ザ・ファミリー・ストーン)が創始者とされ、その後マーカス・ミラー、フリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、ヴィクター・ウッテンなど多くのベーシストが発展させました。
日本でもスラップベースの人気は非常に高く、J-POPやアニメソングでもスラップフレーズは頻繁に登場します。「紅蓮華」や「おどるポンポコリン」のベースラインにもスラップが使われています。
サムピング(サム)の基本
スラップの基本中の基本がサムピングです。親指の側面(骨の部分)を弦に叩きつけて音を出します。
まず右手の親指を立て、他の指は軽く握ります。手首のスナップを使って、親指を弦に当てた瞬間にすぐ跳ね返します。弦に親指を押し付けたままにすると音がミュートされてしまうので、「当てて離す」を意識しましょう。
練習のポイントは、最初は3弦(A弦)から始めること。4弦(E弦)は太くて跳ね返りにくく、初心者には3弦の方がコツを掴みやすいです。メトロノームをBPM60に設定し、4分音符でひたすら叩く練習を繰り返します。
プリング(プル)の基本
プリングは、人差し指(または中指)の先を弦の下に潜り込ませ、弦を引っ張って離すことでパチンと鳴らす奏法です。主に1弦(G弦)や2弦(D弦)で使います。
コツは、指を深く入れすぎないこと。第一関節あたりで弦を軽く引っかけ、手首の回転で自然に離します。力を入れすぎると弦がフレットに叩きつけられてノイズの原因になるので、あくまで軽くコントロールしましょう。
サムとプルを交互に行う「サム→プル→サム→プル」のパターンが、スラップの最も基本的なリズムパターンになります。
| テクニック | 使用する指 | 対象弦 | 音の特徴 |
|---|---|---|---|
| サムピング | 親指の側面 | 3弦・4弦 | 太く力強い低音 |
| プリング | 人差し指・中指 | 1弦・2弦 | パチンと鋭い高音 |
| ゴーストノート | 左手でミュート | 全弦 | 音程のないパーカッシブ音 |
| ハンマリング | 左手の指 | 全弦 | 滑らかな音程変化 |
初心者向けスラップ練習フレーズ
基本のサムとプルができるようになったら、簡単なフレーズに挑戦しましょう。
まずはオクターブ・スラップ。3弦の開放をサムで叩き、1弦の2フレットをプルで鳴らします。同じ音名のオクターブ違いの音を交互に出す、スラップの定番パターンです。
次にゴーストノートを加えたグルーヴ。左手で弦を軽くミュートした状態でサムピングすると、音程のない「チャッ」というパーカッシブな音が出ます。これをフレーズの間に挟むことで、リズムがグッとファンキーになります。
有名な練習曲としては、レッチリの「Can’t Stop」やマーカス・ミラーの楽曲が挙げられます。ただし、いきなり完コピを目指すのではなく、まずは1小節のパターンをゆっくりループで弾けるようにしましょう。
スラップ上達のための注意点
スラップは見た目のインパクトが大きい分、基礎をおろそかにしがちです。指弾きでリズムキープやミュートができない段階でスラップに飛びつくと、ノイズだらけの演奏になりがちです。
理想は、指弾きである程度の基礎力をつけてからスラップに取り組むこと。指弾きで培った左手のミュート技術やリズム感は、スラップでもそのまま活きます。
また、スラップは手首への負担が大きい奏法です。無理な力で叩き続けると腱鞘炎のリスクがあるため、脱力を意識し、練習は1回15〜20分程度に区切ることをおすすめします。
まとめ
スラップベースは、サムピングとプリングの基本を正しく身につけることが上達の鍵です。焦らず基礎から段階的に練習し、ゴーストノートを加えてグルーヴ感を磨いていきましょう。川口のコアミュージックスクールでは、プロのベース講師がスラップの基本から丁寧に指導しています。独学では難しいフォームの矯正やリズム感の向上も、マンツーマンレッスンなら効率的に身につきます。




