ギターを弾く前に必ず行う作業、それがチューニング(調弦)です。チューニングがずれていると、どんなに正しく弾いても音がおかしく聴こえてしまいます。この記事では、ギターチューニングの基本から、チューナーの種類と使い方、アプリの活用法、よくあるトラブルの対処法まで、初心者でもわかるように徹底的に解説します。川口駅徒歩2分のコアミュージックスクールのギター講師監修のもと、正確なチューニング方法を身につけましょう。
チューニングの基本:各弦の音を覚えよう
ギターの6本の弦は、太い方(6弦)から細い方(1弦)に向かって、以下の音に合わせます。
| 弦番号 | 音名(英語) | 音名(日本語) | 弦の太さ | 覚え方 |
|---|---|---|---|---|
| 6弦(最も太い) | E(ミ) | ミ | 最も太い | 「家(E)で |
| 5弦 | A(ラ) | ラ | 太い | あ(A)っと |
| 4弦 | D(レ) | レ | やや太い | 出(D)会った |
| 3弦 | G(ソ) | ソ | やや細い | じ(G)いさんが |
| 2弦 | B(シ) | シ | 細い | B(ビールを) |
| 1弦(最も細い) | E(ミ) | ミ | 最も細い | 飲んだ E(いい気分)」 |
6弦から順にE-A-D-G-B-E。語呂合わせでは「家で会ったじいさんがビールを飲んだいい気分」と覚えると忘れにくいです。1弦と6弦は同じ「E」の音ですが、2オクターブ離れています。
チューナーの種類と特徴
チューニングに使う道具「チューナー」にはいくつかの種類があります。
| 種類 | 価格 | 精度 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| クリップ式チューナー | 1,000〜3,000円 | 高い | ヘッドに挟むだけ。周囲の騒音に左右されない | 見た目がやや目立つ |
| ペダル式チューナー | 3,000〜15,000円 | 非常に高い | ライブで使いやすい。足元で操作可能 | エレキギター専用。高価 |
| カード型チューナー | 1,000〜3,000円 | 高い | マイク内蔵で汎用性が高い | 騒がしい環境では精度が落ちる |
| スマホアプリ | 無料〜500円 | 中〜高 | 無料で使える。いつでも手元にある | 騒がしい環境では精度が落ちる |
初心者におすすめはクリップ式チューナーです。ギターのヘッドに挟むだけで使え、振動で音を検知するため周囲が騒がしくても正確にチューニングできます。価格も1,000〜2,000円程度と手頃で、KORG Pitchclip、BOSS TU-05、tc electronic UniTune Clipなどが定番です。
チューニングの手順(ステップバイステップ)
準備
チューナーの電源を入れ、ギターのヘッドに装着します(クリップ式の場合)。アプリの場合は、スマホのマイクがギターの音を拾えるよう、静かな場所で行いましょう。
手順1:6弦(E)から合わせる
太い方の6弦から順番にチューニングしていきます。6弦を弾き、チューナーの画面を見ましょう。画面には「今鳴っている音」が表示されます。目標の音は「E」です。
- 画面が「E」より低い音を示している場合 → ペグ(糸巻き)を締める方向に回す
- 画面が「E」より高い音を示している場合 → ペグを緩める方向に回す
- チューナーの針(またはインジケーター)が中央に来たら、その弦のチューニングは完了
手順2:5弦(A)→ 4弦(D)→ 3弦(G)→ 2弦(B)→ 1弦(E)の順に合わせる
6弦と同じ要領で、5弦からA、4弦はD、3弦はG、2弦はB、1弦はEに合わせていきます。
手順3:もう一度6弦から確認する
ここが重要なポイントです。1弦まで合わせ終わったら、もう一度6弦から確認しましょう。弦の張力(テンション)はネック全体に影響するため、1本の弦をチューニングすると他の弦の音が微妙にずれることがあります。2〜3回繰り返すことで、すべての弦が正確に合った状態になります。
チューニングのコツと注意点
1. 必ず「低い音から上げる」方向で合わせる:高い状態から下げて合わせると、ペグの遊び(バックラッシュ)によって音が安定しません。音が高すぎる場合は、一度目標より低い音まで下げてから、上げる方向で合わせましょう。
2. ペグはゆっくり回す:急にペグを回すと音が大きく変わりすぎてしまいます。特に細い弦(1弦、2弦)は少し回しただけで音が大きく変わるので、慎重に操作してください。
3. 弦を弾くのは1本ずつ:チューニング時は、合わせたい弦だけを弾きます。複数の弦が同時に鳴っていると、チューナーが正確に音を検知できません。他の弦に手を触れてミュートしてから弾くと良いでしょう。
4. 新しい弦はチューニングが狂いやすい:弦を交換した直後は、弦が伸びきっていないためチューニングが安定しません。弦交換後は何度もチューニングを繰り返し、弦を軽く引っ張って伸ばす(ストレッチする)ことで安定しやすくなります。
チューニングが合わない原因と対策
「何度チューニングしてもすぐにずれる」という場合、以下の原因が考えられます。
| 原因 | 症状 | 対策 |
|---|---|---|
| 弦が古い | チューニングしてもすぐにずれる | 弦を交換する(2〜3ヶ月に1回が目安) |
| 弦の巻き方が悪い | ペグを回しても音が安定しない | 弦を正しく巻き直す |
| ナットの溝が合っていない | 開放弦の音がずれる | 楽器店で調整してもらう |
| イントネーション(オクターブ調整)のずれ | ハイフレットで音がずれる | サドル位置を調整(楽器店推奨) |
| 温度・湿度の変化 | 季節の変わり目にずれやすい | 演奏前に毎回チューニングする |
| ペグのゆるみ | ペグがスムーズに回らない | ペグのネジを適度に締める |
変則チューニング入門
通常のEADGBE以外のチューニングを「変則チューニング(オープンチューニング/ドロップチューニング)」と呼びます。特定のジャンルや曲で使われる代表的なものを紹介します。
| チューニング名 | 各弦の音 | 特徴 | 使われるジャンル |
|---|---|---|---|
| ドロップD | D-A-D-G-B-E | 6弦を1音下げるだけ。パワーコードが指1本で弾ける | ロック・メタル |
| 半音下げ | Eb-Ab-Db-Gb-Bb-Eb | 全弦を半音下げる。弦のテンションが下がり弾きやすい | ロック全般 |
| オープンG | D-G-D-G-B-D | 開放弦でGコードが鳴る。スライドバーと相性良し | ブルース・カントリー |
| DADGAD | D-A-D-G-A-D | 幻想的で浮遊感のある響き | アイリッシュ・アコギソロ |
初心者はまず通常チューニング(レギュラーチューニング)をしっかりマスターしてから、変則チューニングに挑戦しましょう。変則チューニングは、曲のアレンジの幅を広げてくれる面白いテクニックです。
チューニングの頻度:どのくらいの頻度で合わせる?
基本的にはギターを弾くたびに、弾き始める前に必ずチューニングを行いましょう。温度や湿度の変化、弦の経年劣化、演奏中の弦の伸びなどにより、チューニングは常に少しずつずれていきます。
また、長時間練習している場合は途中でもチューニングを確認しましょう。特にチョーキング(弦を押し上げるテクニック)を多用した後は、弦が伸びてチューニングがずれやすくなります。
まとめ:チューニングはギターの基本中の基本
チューニングは、ギター演奏の「土台」です。どんなに素晴らしいテクニックを持っていても、チューニングが狂っていては良い音楽になりません。初心者のうちからチューニングの習慣を身につけ、正確な音感を養いましょう。
最初のうちはチューニングに時間がかかるかもしれませんが、慣れれば1〜2分で完了します。毎回の練習前の「儀式」として習慣化してしまいましょう。

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