「曲は作れるんだけど、なんかチープに聞こえる」——この悩みの正体はミキシングです。どんなに良い曲でも、ミックスが悪いと安っぽく聞こえます。逆に、シンプルな曲でもミックスがしっかりしていると「プロっぽい」印象になります。この記事では、DTM初心者が最初に覚えるべきミキシングの5ステップを、順番に解説します。
ステップ1:音量バランスを整える
ミキシングで最初にやることは「各トラックの音量バランスを整える」ことです。EQもコンプも後回しにして、まずフェーダーだけで曲が成立するバランスを作ります。
目安:
- マスタートラックのメーターが-6dB前後になるように全体を調整
- ドラムのキックとベースを先に決めて、そこに合わせて他を調整
- ボーカル(いる場合)は最後に調整して、全体の中でしっかり前に出るようにする
「まずここを決めないと次が決まらない」というのがフェーダーバランスです。スキップしないでください。
ステップ2:パンニング(定位)を決める
左右の定位を決めることで、各楽器がぶつからずにクリアに聴こえます。
基本的なパン配置例:
- センター(L0/R0):キック、ベース、ボーカル、スネア
- 左右に広げる:ギター左右、ピアノ左右、コーラス左右など
- ハイハットは少しずらす(L10〜L20程度)
低音楽器(ベース・キック)はセンターに置くのが基本。低音を左右に広げると、モノラル再生時に位相ズレが起きて音が薄くなります。
ステップ3:EQで周波数を整理する
EQは「音を足す」より「いらない音を削る」ために使います。各楽器が得意な周波数帯に住み分けさせるイメージです。
簡単な目安:
- ボーカル:200Hz以下をローカット、1〜4kHzを少しブースト(存在感を出す)
- ギター:低域(100Hz以下)をカット、中域に集中させる
- キック:低域(50〜100Hz)がパワーゾーン、5〜8kHzでアタック感を出す
- ベース:キックと帯域が被りやすいので、どちらかを少し引く
まずローカット(低域カット)だけでも、ミックスがかなりクリアになります。「全ての楽器に100Hz以下のハイパスフィルターをかける(ベース・キック以外)」これだけで劇的に変わります。
ステップ4:コンプレッサーでダイナミクスを整える
コンプレッサーは「音量の大小の差」を小さくするエフェクトです。バラバラな音量のボーカルをそろえたり、キックに鋭さを与えたりします。
初心者向けの設定の目安:
- Ratio:4:1(汎用的)
- Threshold:-10〜-15dBくらいから調整
- Attack:速め(ボーカルやベース)/ 遅め(ドラムに存在感を残す)
- Release:0.1〜0.3秒くらいが一般的
コンプをかけすぎると音が死んでしまいます。GainReductionメーターが常に6dBを超えているようなら、かけすぎです。
ステップ5:リバーブで空間を作る
リバーブは「部屋の響き」を作るエフェクトです。これがないと、各楽器が「バラバラな場所にいる」ように聞こえます。
コツ:リバーブはセンドエフェクトで使う。専用のリバーブトラックを作り、各楽器からSend量を調整して送る。そうすると全楽器が同じ「空間」に存在するように聴こえます。
乾いた音(ドライ)と残響(ウェット)のバランスが重要。最初は「少し部屋の響きがある程度」から始めて、聴きながら調整してください。
ミキシングは経験と耳のトレーニングが必要な分野です。コアミュージックスクールのDTMコースでは、こうしたミックスの実践的な技術を学べます。



