「プロの作曲家になりたい」という夢を持ちながら、どうすれば実現できるのかわからない——そういう方のために、コアミュージックスクールでDTM・作曲コースの開講を準備している古賀稔宏先生に、リアルなキャリアの話を聞きました。
古賀先生の主な実績:アンパンマン映画主題歌「ドーリィのいのち」作曲、ジャニーズ・滝沢秀明歌舞伎BGM制作、堂本光一アルバム参加、Do As Infinity 10周年記念曲作曲。商業音楽の最前線を長年走ってきたプロが、若いころに何をして、何に気づいて、どうやって今の場所に辿り着いたのかを語っていただきました。
14歳で音楽に出会い、すべてが変わった
古賀先生が音楽に本格的にのめり込んだのは14歳のとき。当時のJ-POPや洋楽を聴くうちに「自分でもこんな曲を作りたい」という気持ちが芽生えたといいます。
「最初は楽器もろくに弾けなかった。コードの押さえ方を本で調べながら、毎日ギターを鳴らしていましたね。理論なんて後から知ったことで、最初は完全に感覚だけで動いていました」
そこから独学で作曲を続け、10代後半には音楽業界の端に触れ始めます。プロへの道が見えてきたのは20代に入ってから。「自分の作った曲を誰かに聴いてもらえる状況を、どうやって作るか」を必死に考えた時期だったといいます。
プロになるために「本当に必要だったもの」
「技術は大事。でも技術だけじゃプロにはなれない」と古賀先生は言います。では何が必要なのか。先生が挙げるのは3つです。
1. 人に伝わる「何か」を持つ
「音楽的に上手い人は世の中にたくさんいる。でも聴いた人の心に刺さる曲を作れる人は、上手い人の中でもひと握り。技術とは別に『この人の音楽を聴きたい』と思わせる何かが必要です」
それは派手な個性である必要はなく、「この人の曲を聴くと明日も頑張れる気がする」とか「なぜかこの人の曲だとわかる」というような、微妙だけど確かな固有性だといいます。
2. 締め切りを守り、依頼者の要望を理解する力
「プロは良い曲を作れればいいわけじゃない。『この尺で』『このイメージで』『この期日までに』という条件の中で、その条件を満たしながら良い曲を作る仕事です。自由に作るアマチュアとの最大の違いはここだと思っています」
アンパンマンの楽曲制作でも、映画という枠の中で「子どもが聴いて元気になれるか」「大人が聴いても心に残るか」という複数の要件を同時に満たす必要があったといいます。
3. 諦めない継続と、正しい場所で学ぶこと
「才能よりも、続けた人が残る世界だと思っています。ただ、むやみに続けるだけじゃなくて、自分の弱点を正確に把握して、それを埋める努力が必要。独学だと自分の弱点に気づかないまま進んでしまうことがある。だから早い段階で、信頼できる人から学ぶことが大事だと思っています」
プロへの道:現実的なロードマップ
古賀先生が考える、プロ作曲家への現実的なステップです。
- 基礎を固める(〜2年):コード、メロディ、アレンジの基礎。1曲を完成させる経験を積み重ねる
- ジャンルを絞る(2〜3年目):J-POP、アニソン、ゲーム音楽など、自分が目指す方向を明確にする
- 実績を作る(3年〜):コンペへの参加、インディーズでの楽曲リリース、SNSでの発信などで自分の音楽を世に出す機会を増やす
- 繋がりを作る:業界のイベント、SNS、音楽コミュニティなどで人脈を広げる。仕事の多くは紹介から始まる
今の時代にDTMを始めるということ
古賀先生は、今の時代にDTMを始める人たちを「恵まれている」と言います。「昔はスタジオを使わないとレコーディングできなかったし、プロクオリティの音源を揃えるのに何百万もかかった。今は数万円のソフトと普通のパソコンで、プロと変わらない環境が手に入る」
同時に「環境が整ったぶん、差が出るのは学習の質と継続力だけになった」とも。ツールは揃っている。あとはどう学んで、どう続けるか——それだけだと言います。
古賀先生からのメッセージは「始めるのに遅すぎることはない。でも始めたなら、ちゃんと学ぶ場所を選んでほしい」というものでした。コアミュージックスクールでは、そんな古賀先生によるDTM・作曲コースの開講を準備中です。詳細が決まり次第、サイトで告知します。



