「作曲をやってみたい」と思ったとき、最初に何をすればいいのか。ピアノが弾けない、楽譜が読めない、そもそも音楽理論なんてさっぱり——そういう状態から、プロ作曲家はどんな手順で初心者に教えるのでしょうか。
コアミュージックスクールでDTM・作曲コースの開講を予定している古賀稔宏先生は、アンパンマン映画主題歌の作曲や、ジャニーズ・堂本光一アルバムへの参加など、商業音楽の最前線で活躍するプロ作曲家です。そんな古賀先生の視点も交えながら、作曲初心者が最初の1曲を完成させるまでの5ステップを解説します。
ステップ①:好きな曲を「分解」する
いきなり作曲を始めるより先に、好きな曲を分析することをおすすめします。「分析」と聞くと難しそうですが、やることはシンプルです。好きな曲を聴きながら「この曲のコードは何だろう」「メロディはどのくらい音が動いているか」「リズムのパターンはどんな感じか」を耳で追いかけるだけです。
楽器ができなくても、譜面が読めなくても構いません。「なんとなくこんな感じ」という感覚を言語化する練習が、後の作曲にダイレクトに活きてきます。古賀先生も「最初の頃は好きなアーティストのカセットテープを擦り切れるほど聴いて、”なぜこの音が気持ちいいのか”を考えていた」とおっしゃっています。
ステップ②:コード進行を4つだけ覚える
音楽理論の全部を覚える必要はありません。まず4つのコード進行を覚えれば、J-POPの大半の曲は作れます。
- C → G → Am → F(通称「カノン進行」。王道中の王道)
- Am → F → G → C(マイナー始まりの切ない定番)
- C → Am → F → G(明るくポップな曲向け)
- F → G → Em → Am(少し複雑で感情的な雰囲気)
これをDAWのピアノロールに打ち込んで、上から順番に鳴らしてみてください。「あ、聴いたことある感じがする」という感覚が、作曲の手応えです。まずはここから始めましょう。
ステップ③:鼻歌でメロディを作る
コード進行が決まったら、それをBGMにして鼻歌を歌います。「うまく歌おう」とする必要はありません。スマートフォンのボイスメモで録音しながら、コードに合わせて適当に口ずさむだけでOKです。
鼻歌は最強の作曲ツールです。楽器の制約がなく、頭の中にあるメロディをそのまま出力できる。プロ作曲家の多くが「アイデアは鼻歌から始まる」と言います。古賀先生も「移動中やシャワー中に浮かんだメロディをすぐに録音する習慣が、今でも一番大事」とおっしゃっています。
ステップ④:DAWにメロディを打ち込む
鼻歌で気に入ったメロディができたら、DAWのピアノロールに打ち込みます。このとき「完璧に再現しよう」とする必要はありません。近い音程、近いリズムで打ち込んで、再生して聴いてみる。「ここが違う」と思ったら修正する。この繰り返しです。
CubaseやLogic、GarageBandなど、どのDAWを使っていても基本操作は同じです。ピアノロールで音符を置いて、長さを調整して、再生する。これだけ覚えれば最初の1曲は作れます。
ステップ⑤:簡単なアレンジを加える
メロディとコードができたら、最後に「それっぽさ」を加えます。ドラムのリズムを入れる、ベースラインを追加する、ストリングスかパッドで音を厚くする——この3つだけで、一気に「曲らしく」なります。
最初からクオリティを求めると詰まります。DAWに付属している音源(プリセット)を使いながら、とにかく「全パート揃った状態」を目指してください。アレンジの細かいテクニックは、1曲目を完成させてから学べばいいんです。
作曲を「システムで学ぶ」という選択肢
5つのステップを紹介しましたが、独学での一番の難関は「詰まったとき誰にも聞けない」こと。コードの意味がわからなくなったとき、メロディが浮かばないとき、DAWの操作で行き詰まったとき——プロに直接聞ける環境は、学習速度を大きく変えます。
コアミュージックスクールでは、古賀稔宏先生によるDTM・作曲コースの開講準備を進めています。商業音楽の現場で培ったノウハウを、初心者の方にも体系的に学んでいただける内容を予定しています。興味のある方はぜひ詳細をご確認ください。



