ボカロ曲を弾きたい・作りたいと思った時、最初に直面するのが「どんなコード進行を使えばいいの?」という疑問です。実は、ボカロ曲の8〜9割は10種類程度の定番コード進行で構成されており、これらを覚えるだけで膨大な曲をコピーできるようになります。川口駅徒歩2分のコアミュージックスクールでDTM・作曲を学ぶ生徒さんにも、まずこの10パターンの暗記から始めてもらっています。この記事では、各パターンの特徴・代表曲・ギター/ピアノでの弾き方を徹底解説します。
ボカロ曲のコード進行に共通する特徴
ボカロ曲のコード進行には、J-POPと比べていくつか特徴があります。第一に、マイナーキーの曲が多いこと。情緒的・物語性のある楽曲が好まれるため、Am/Em/Dmあたりが頻出です。第二に、セカンダリードミナントと呼ばれる「次のコードに向かうドミナント7thコード」を多用する傾向があります。これによりコード進行に色気と推進力が生まれます。第三に、サブドミナントマイナー(Fmなど)を使った哀愁ある響きが愛されます。
定番コード進行10パターン徹底解説
パターン1:王道進行(IV-V-iii-vi)
キーCならF-G-Em-Am。ボカロ曲で最も使われている進行で「丸の内サディスティック進行」とも呼ばれます。代表曲:『千本桜』のサビ、『初音ミクの消失』Bメロ、『ロキ』など枚挙にいとまがありません。覚えやすく演奏もしやすいので、最初に練習する進行として最適です。
パターン2:小室進行(vi-IV-V-I)
キーCならAm-F-G-C。1990年代の小室哲哉が多用したことで命名された進行。明るく前向きな曲調になりやすく、『メルト』のサビ、『マトリョシカ』のBメロなどで使われています。マイナーから始まってメジャーで終わる構成が、希望感のある展開を生みます。
パターン3:カノン進行(I-V-vi-iii-IV-I-IV-V)
キーCならC-G-Am-Em-F-C-F-G。パッヘルベルのカノンで知られる進行で、安定感と懐かしさが特徴。『from Y to Y』『ハッピーシンセサイザ』など、バラード系ボカロ曲で頻繁に登場します。8つのコードで完結するため、ストーリー性のある楽曲を作りやすいパターンです。
パターン4:4536進行(IV-V-iii-vi)の変形
王道進行の変形で、F-G-Em7-AmのEmを7thに変えるだけで一気に都会的な響きになります。米津玄師(ハチ)の『マトリョシカ』『ドーナツホール』のBメロなど、おしゃれ系ボカロ曲の定番。コード1つ変えるだけでサウンドが激変するので、アレンジ研究の入口として最適です。
パターン5:J-POP定番進行(vi-V-IV-V)
キーCならAm-G-F-G。短いループながら聴き飽きない万能パターン。『ワールドイズマイン』のサビ、『ローリンガール』のサビなど。4小節1ループで使えるので、サビでループしてエネルギーを溜めたい時に重宝します。
パターン6:循環コード(I-vi-IV-V)
キーCならC-Am-F-G。50年代ロックンロールから受け継がれる超定番。『メルト』のAメロ、『ブラック★ロックシューター』など。安定感があり、初心者がコピーしやすい進行です。
パターン7:ドミナントマイナー進行(i-VII-VI-V)
キーAmならAm-G-F-E。最後のEがドミナントになることで、ループ時にAmへの強い解決感が生まれます。『脳漿炸裂ガール』『悪ノ娘』など、ダークでテンション高めのボカロ曲で頻出。最後のEをE7にするとさらにテンションが上がります。
パターン8:トゥーファイブワン(ii-V-I)
キーCならDm7-G7-Cmaj7。ジャズ由来のおしゃれ進行で、ボカロでは『1925』『裏表ラバーズ』のような都会的な楽曲で使われます。テンションコードを覚えると一気に曲のクオリティが上がります。
パターン9:パッシングディミニッシュ(I-#Idim-ii-V)
キーCならC-C#dim-Dm-G。コード間にディミニッシュコードを挟むことで滑らかな半音進行が生まれる技。『右肩の蝶』『ワーカホリック』など、メロディアスなボカロ曲のAメロで使われます。中級者向けですが、これを使いこなすとプロっぽい響きになります。
パターン10:イチロクニーゴー(I-vi-ii-V)
キーCならC-Am-Dm-G。ジャズ・ボサノバ系定番で、ボカロでは『ハッピーシンセサイザ』『チルドレンレコード』など、ポップで明るい楽曲のサビで活躍。次の小節で同じCに戻るループが心地よいリズムを作ります。
ギター・ピアノでの押さえ方のコツ
ボカロ曲のコード進行を実際に弾く際、楽器ごとにポイントがあります。
ギターでの弾き方
ギターでは、ローコードとハイコード(バレーコード)を組み合わせると曲の表情が出ます。例えば王道進行F-G-Em-Amなら、Fを1フレットのバレー、Gをローコード、EmとAmをローコードで弾くと、コード間の動きが自然になります。コードチェンジが間に合わない時は、共通音を活用しましょう。詳しくはボカロ曲を弾けるようになる初心者ガイドもご覧ください。
ピアノでの弾き方
ピアノはルート音を左手、コード構成音を右手で弾くのが基本。ボカロ曲のような疾走感を出したい時は、左手で1拍4分のルート連打、右手でアルペジオ(ドミソを順番に弾く)にすると躍動感が出ます。バラード系なら左手をオクターブで弾いて、右手で和音を1拍ごとに刻む奏法が定番です。
コード進行を使った作曲のはじめかた
これら10パターンを暗記したら、次は自分で組み合わせて作曲してみましょう。多くのボカロPは「Aメロは循環コード、Bメロで王道進行、サビで小室進行」のように、セクションごとに進行を切り替えています。さらに、各進行のリズムやテンポを変えるだけで、まったく別の曲のように聴こえます。
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