Mrs. GREEN APPLE大森元貴の歌い方を徹底解説|表現力とビブラートの秘密

ボーカル

Mrs. GREEN APPLEのボーカル・大森元貴さんの歌声に引き込まれ、「あの歌い方を真似したい」「ビブラートをかけるコツを知りたい」と思った方は多いのではないでしょうか。甘さと鋭さが共存する独特のトーン、感情を爆発させるような表現力、そして繊細に揺れるビブラート——。いざ練習を始めると「どこから手をつければいいのかわからない」という声をレッスン現場でもよく耳にします。

この記事では、大森元貴さんの歌唱スタイルを構成する要素を具体的な技術レベルまで分解し、実践的な練習方法とともに解説します。ビブラートのかけ方、音域の使い分け、言葉の乗せ方といった複数の観点から整理していますので、「なんとなく好き」で終わらせず、自分の歌に落とし込むヒントを持ち帰っていただけるはずです。

大森元貴の声の特徴――声域・音色・息の使い方

まず大前提として、大森元貴さんの声域を整理しておきましょう。地声(チェストボイス)は概ねA2〜E4付近を中心に使い、ファルセット(裏声)はE5〜A5前後まで対応しています。ミックスボイスで繋ぐ中間域がG4〜C5あたりにあり、楽曲によってはここを多用して独特の「抜け感」を生み出しています。一般的な成人男性の地声上限がE4〜G4程度とされるなかで、彼は換声点をほとんど感じさせない滑らかな切り替えを実現しています。

音色の面では、声帯の閉鎖具合を細かくコントロールし、囁くような弱声からシャウト寸前の強声まで同じ楽曲のなかで使い分けているのが大きな特徴です。専門的には「声帯内転の可変コントロール」と呼ばれる技術で、ダイナミクスレンジが広く、DAWで計測するとppからffまで差が20dBを超える場面も珍しくありません。この振れ幅の大きさが「聴いていて飽きない」感覚につながっています。

また、息の使い方も独特です。フレーズの入り口でわずかに息を混ぜ(ブレシー・アタック)、サビに向かうにつれて息を絞ってストレートな実声に移行するパターンを多くの楽曲で採用しています。代表曲「ケセラセラ」や「青と夏」でもこの流れが聴き取れます。横隔膜(ダイアフラム)を使ったブレス管理が前提になっているため、腹式呼吸が身についていないと再現が難しい部分です。

ビブラートの構造――速さ・深さ・かけるタイミング

大森元貴さんのビブラートは、速すぎず遅すぎない「中速ビブラート」が基本です。一般にビブラートの速さはHz(ヘルツ)で表され、5〜6Hzがオーソドックスとされています。彼の楽曲を音源解析すると、バラード系では5Hz前後、ポップ系のアップテンポ曲では6Hz近くになる傾向が見受けられます。深さ(ピッチの揺れ幅)は半音の1/4〜1/3程度と、クラシックビブラートほど大きくなく、Jポップのなかでも比較的ナチュラルな印象を与えます。

重要なのは「かけ始めのタイミング」です。音を発してすぐにビブラートをかけるのではなく、音を当てた後に0.3〜0.5秒ほどストレートに保ち、そこからビブラートへ移行する「ディレイド・ビブラート」を多用しています。これにより音程の着地点が明確になり、感情的な揺れが後から乗ってくるような聴感が生まれます。

ビブラートの種類と大森元貴さんのアプローチ比較

ビブラートの種類 動かす部位 特徴 大森元貴さんとの親和性
横隔膜ビブラート 横隔膜・腹筋 深く安定、クラシック的 △(ポップスには重すぎる場面も)
喉ビブラート 喉頭・声帯 速く浅い、演歌・民謡系 ×(音色が合いにくい)
顎・舌ビブラート 顎関節・舌根 不安定、習得途中に多い ×(意図しないブレの原因に)
声帯周辺の自然なゆらぎ 声帯・声道 自然で滑らか、Jポップ向き ◎(最も近い)

表からもわかるように、大森元貴さんのビブラートは「声帯周辺の自然なゆらぎ」に近く、力みを抜いた状態から生まれるものです。意識的に揺らそうとするのではなく、支えのある発声から自然に湧き出させるイメージで練習するのが近道です。

奥津 ユキ(ボーカル・ピアノ・サックス・フルート・DTM(Logic)講師)より:

私が実際にレッスンで生徒さんを見ていると、ビブラートを「揺らそう」と意識しすぎて喉や顎に力が入り、かえって音が震えるだけになってしまうパターンが非常に多いです。大森元貴さんのビブラートを目指す方には、まず「ロングトーンを力みなく5秒キープする」練習から始めることをおすすめしています。音が安定して出せるようになると、自然とわずかなゆらぎが生まれてくるんです。

表現力の核心――言葉の乗せ方と子音の立て方

大森元貴さんの歌に引き込まれる大きな理由の一つが、歌詞の「言葉」の乗せ方です。単に音程を合わせるのではなく、言葉のアクセントや子音のタイミングを微妙にコントロールして、語りかけるような感覚を生み出しています。

母音の伸ばし方と子音の処理

日本語の歌唱では、母音(ア・イ・ウ・エ・オ)を長く保持し、子音は短く前に置く処理が基本になります。大森元貴さんはこれを忠実に実践しながら、さらに「強調したい子音は少し前に出す(子音の前打ち)」テクニックを随所に使っています。たとえば「青と夏」の「あ」の発音や、「ダンスホール」の「ダ」の子音など、聴くとわずかにリズムの前に子音が来ていることがわかります。これがグルーヴ感と言葉の明瞭度を同時に高めています。

ダイナミクスを使った感情表現

大森元貴さんの歌い方を分析すると、音量変化が単なる「強弱」ではなく「感情の起伏」と連動していることがわかります。Aメロでは抑え気味(音量レベルでいうとー18dBFSあたりのイメージ)で語りかけ、サビで一気に解放する構造が多く、この落差が聴き手の感情を揺さぶります。クレッシェンド(だんだん強く)のタイミングも、小節の頭ではなく、フレーズの後半から始まることが多いです。

また、意図的に「声を抜く」=ボリュームを落とす場面でも感情を乗せるのが彼の技術的な特徴です。「Attitude」や「僕のこと」などのバラードでは、サビの頂点の後に力を抜いたフレーズが来ることで、よりドラマチックな余韻を生み出しています。

フレージングとブレスのタイミング

歌の「フレーズ感」を決めるのがブレス(息継ぎ)の位置です。大森元貴さんは、文法的な切れ目ではなく「感情的な切れ目」でブレスを入れることが多く、これが歌に独特の「語り」の雰囲気を与えています。たとえば長いフレーズを一息で歌いきる場面では、あらかじめフルブレス(最大吸気)を取り、横隔膜を使って息を細く長く使う技術が必要です。これには「スタッカート練習」や「スローリリース・ブレストレーニング」が有効で、1フレーズを8〜12秒かけて吐き切る練習を繰り返すことで徐々に身につきます。

実践練習メニュー――段階別アプローチ

「大森元貴さんの歌い方を習得したい」という方向けに、段階別の練習メニューを整理しました。毎日の練習時間の目安と合わせて確認してください。

STEP 1:腹式呼吸と支えの確立(目安:2〜4週間)

  • 仰向けになって腹部の上下を確認するダイアフラムブレス練習(1日10分)
  • 「スー」と声を出さずに8カウントで吸い、16カウントで吐くコントロール練習
  • 目標:立った状態でも腹式呼吸を意識せず維持できること

STEP 2:換声点をなめらかにするミックスボイスの練習(目安:1〜3か月)

  • ハミングで地声からファルセットまでグリッサンド(ポルタメント)をかける
  • 「ナー」の母音でC4〜C5のスケール練習(BPM60〜80程度のゆっくりなテンポ)
  • 「青と夏」のサビ部分でA4〜D5あたりのパッサッジョ(換声点)を確認しながら歌う

STEP 3:ビブラートの習得(目安:2〜6か月)

  • まずロングトーン(A3〜C4)を5〜8秒、完全に安定させる
  • 安定したら力を「抜く」意識で声道を開放し、自然なゆらぎを待つ
  • 最終的に5〜6Hzの速さでゆらぎが定着したら、曲に乗せて使う

STEP 4:言葉の表現力を磨く(目安:並行して継続)

  • 歌詞を「朗読」してから歌う(アクセントと感情の方向性を確認)
  • 録音して客観的に聴き、子音の明瞭度とダイナミクスを確認する
  • 「ケセラセラ」「僕のこと」など感情変化の大きい曲を選んで集中練習
ステップ テーマ 練習時間の目安 習得の目安期間
STEP 1 腹式呼吸・支え 10〜15分/日 2〜4週間
STEP 2 ミックスボイス 20〜30分/日 1〜3か月
STEP 3 ビブラート 15〜20分/日 2〜6か月
STEP 4 表現力・言葉 30分〜/日 継続的に

あくまでも目安であり、個人差があります。特にミックスボイスとビブラートは「気づいたら自然に出ていた」という習得感が多く、焦らず継続することが大切です。

奥津 ユキ(ボーカル・ピアノ・サックス・フルート・DTM(Logic)講師)より:

私が現場で繰り返し見てきたパターンとして、ステップ2のミックスボイスを「頭声(ファルセット)だけで高い音を出す」と誤解してしまうケースがあります。正確には地声の成分を残しながら高音域に移行するイメージで、ハミングのまま音域を上げていくと感覚がつかみやすいです。「ナー」の発声練習をBPM60くらいのゆっくりなテンポで繰り返すことを、私はレッスンで特に重視しています。

独学とレッスンの違い――よくある落とし穴

大森元貴さんの歌い方を独学で練習する際に陥りやすい落とし穴を整理します。独学でも一定の成果は出ますが、特定のポイントでは専門的なフィードバックが大きな差を生みます。

独学でつまずきやすい3つのポイント

  • 喉締め発声の固定化:正しいフォームがわからないまま練習を続けると、声帯に負担がかかる喉締め発声が定着してしまいます。喉の痛みや声の枯れが続く場合は要注意です。
  • 自分の声への正確な評価が難しい:録音で確認しても、音量バランスや音程のずれを客観視することには限界があります。特にビブラートのHz数や深さは、自分では把握しにくいものです。
  • 換声点の誤った処理:「裏声で逃げる」か「地声で押し上げる」の二択になりやすく、ミックスボイスの本来の感覚に至れないまま時間が経過するケースが多く見られます。

プロ講師に習うと何が変わるか

現役講師によるマンツーマン指導では、声の状態をリアルタイムで観察しながら発声の問題点を特定できます。「今の音、少し喉が上がっていますね」「ブレスのタイミングをここに移してみましょう」といった即時フィードバックは、独学では得られないものです。コアミュージックスクールのボーカル講座では、発声の基礎から曲の仕上げまでを一人ひとりの声質・目標に合わせて進めています。

また、大森元貴さんの楽曲はDTM的な音作りとも密接に関連しており、ボーカルのレコーディングやMixへの興味がある方にはDTM+作曲講座と組み合わせることで、より深い理解に繋がります。

大森元貴さんの歌い方から学べる普遍的なボーカル技術

Mrs. GREEN APPLEの楽曲は、ポップス・ロック・バラードと多岐にわたります。大森元貴さんの歌唱スタイルを分析して得られる技術は、彼の曲を歌うためだけでなく、幅広いジャンルのボーカルに応用できる普遍性を持っています。

他アーティストの楽曲にも転用できる技術一覧

  • ディレイド・ビブラート:音を当ててからゆらぎを乗せる手法は、米津玉人・Official髭男dism・back numberなどのJポップ全般で活用できます。
  • ダイナミクスレンジの活用:ppからffまでの振れ幅を意識的に使う技術は、どんな楽曲にも表現の幅を与えます。
  • 言葉のアクセントを活かした子音処理:日本語の歌詞を自然に聴かせるための技術で、特にゆったりしたバラードで効果を発揮します。
  • ミックスボイスによる音域の拡張:換声点を滑らかに越える技術は、Jポップの楽曲を歌うほぼすべての場面で必要になります。

大森元貴さんの歌い方を入り口にして、ボーカル全体の技術を体系的に学ぶことは、非常に効果的なアプローチです。「好きなアーティストの歌を歌えるようになりたい」という動機は、上達を加速させる強力なエネルギーになります。

まとめ――大森元貴さんの歌声を自分のものにするために

大森元貴さんの歌い方の核心を整理すると、次の3点に集約されます。

  • 腹式呼吸と横隔膜の支えを土台にした、ダイナミクスレンジの広い発声
  • 換声点を滑らかに越えるミックスボイスと、5〜6Hzのディレイド・ビブラート
  • 言葉のアクセントと子音の処理による、語りかけるような表現力

これらは一朝一夕で身につくものではありませんが、正しい練習を積み重ねれば確実に近づけます。独学でも取り組めますが、誤った発声フォームが定着するリスクを避けるためにも、早い段階で専門家のフィードバックを受けることをおすすめします。

コアミュージックスクールは川口駅から徒歩2分の立地にあり、現役のプロ講師によるマンツーマンレッスンを提供しています。「大森元貴さんの歌い方を練習したい」「ビブラートが上手くかからない」「ミックスボイスを習得したい」など、目的を明確にしてご相談いただければ、あなたの声質・現在の課題に合わせた指導が受けられます。

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