歌ってみたにおすすめのマイク10選|価格帯別ベストバイと選び方を解説

ボーカル

「歌ってみたを始めたいけど、マイクって何を買えばいいの?」――そんな疑問を持つ方はとても多いです。スマートフォン付属のイヤホンマイクで録音してみたら声がこもってしまった、動画の音質が悪くて自分の歌の良さが伝わらなかった、という経験をした方もいるのではないでしょうか。

歌ってみたにおすすめのマイク10選|価格帯別ベストバイと選び方を解説
ボーカル・発声レッスンのイメージ

結論からお伝えすると、歌ってみた用途には「コンデンサーマイク+オーディオインターフェース」の組み合わせが定番です。予算1万円台から本格的な環境を整えられます。価格帯別におすすめのマイク10本を具体的なスペックとともに紹介し、選び方のポイントも丁寧に解説します。実際にDTMやボーカルレッスンの現場で見てきた視点も盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてください。

歌ってみた用マイクの基礎知識|コンデンサーとダイナミックの違い

マイクには大きく分けて「コンデンサーマイク」と「ダイナミックマイク」の2種類があります。それぞれの特性を理解しておくと、自分に合った選択がしやすくなります。

コンデンサーマイク

コンデンサーマイクは、薄い振動板(ダイアフラム)が空気の振動を電気信号に変換する仕組みです。感度が高く、20Hz〜20kHzという人間の可聴域全体を繊細に収音できるため、歌声のブレス(息継ぎ)やビブラートの揺れなど細かいニュアンスまで録音できるのが最大の特徴です。ただし、感度が高い分、部屋の環境音(エアコンの音・街の騒音)も拾いやすいというデメリットがあります。動作にはファンタム電源(+48V)が必要で、オーディオインターフェースから供給するのが一般的です。

ダイナミックマイク

ダイナミックマイクは、コイルと磁石を使って振動を電気信号に変換します。構造上、感度はコンデンサーより低めですが、外部ノイズに強く、ある程度の音量がある声でもクリアに収音できます。ファンタム電源不要でUSB接続のものもあり、扱いやすさが魅力です。防音環境が整っていない自宅録音では、ダイナミックマイクが向いているケースも多いです。

指向性(ポーラーパターン)もチェック

マイクには「単一指向性(カーディオイド)」「全指向性(無指向性)」「双指向性(フィギュア8)」などの指向性があります。歌ってみた用途では、正面の音だけを拾う単一指向性(カーディオイド)が一般的です。背面や側面からのノイズを遮断できるため、自宅録音に向いています。

歌ってみた用マイクの選び方|5つのチェックポイント

数多くのマイクの中から自分に合ったものを選ぶために、以下の5つのポイントを確認しましょう。

  • ① 接続方式:XLR接続(オーディオインターフェース必要)かUSB接続(PC直挿し可能)か
  • ② 周波数特性:人の声の基音は男声で約85〜255Hz、女声で約165〜1050Hz。その倍音も含めて20kHz付近まで再現できるかを確認
  • ③ 感度(dB):コンデンサーマイクは−30〜−50dBV/Pa程度が一般的。数値が大きい(0に近い)ほど感度が高い
  • ④ 部屋の防音環境:静かな部屋ならコンデンサー、ある程度のノイズがある環境ならダイナミックが向いている
  • ⑤ 予算とセット購入:マイクだけでなく、スタンド・ポップフィルター・オーディオインターフェースも含めた総額で考える

奥津 ユキ(ボーカル・ピアノ・サックス・フルート・DTM(Logic)講師)より:

私が実際にレッスンで生徒さんのデモ音源を聴いていると、「マイクは良いものを買ったのに音がこもっている」というケースがとても多いです。原因の多くはマイクそのものではなく、マイクの距離や口との角度、部屋の反響にあります。コンデンサーマイクを選んだなら、まず壁から50cm以上離れた位置に設置し、口からマイクヘッドまでの距離を15〜20cm程度に保つことを意識してみてください。これだけで録音クオリティが大きく変わります。

価格帯別おすすめマイク10選|比較表つき

以下では、入門〜中級・上級の3つの価格帯に分けておすすめのマイクを紹介します。価格はいずれも執筆時点の目安です。

【入門〜初心者向け】〜1万円台:まずは試してみたい方に

製品名 種類 接続 参考価格 特徴
Audio-Technica AT2020 コンデンサー XLR 約9,000〜11,000円 コスパ良好。歌ってみた入門の定番機種。周波数特性20Hz〜20kHz
MAONO AU-A04 コンデンサー USB 約5,000〜8,000円 オーディオIF不要。スタンド・ポップフィルター付属セット
Blue Snowball iCE コンデンサー USB 約6,000〜8,000円 単一指向性。セットアップが簡単で初心者に最適
SHURE PGA48 ダイナミック XLR 約5,000〜7,000円 環境ノイズに強い。防音なし部屋でも使いやすい

AT2020は、歌ってみたクリエイターの間で長年支持されている定番コンデンサーマイクです。感度−37dBV/Pa、周波数特性20Hz〜20kHzと、この価格帯では十分なスペックを誇ります。XLR接続のためオーディオインターフェース(後述)が別途必要ですが、音質は1万円台とは思えないクオリティです。

MAONO AU-A04はUSB接続のコンデンサーマイクで、スタンドやポップフィルターがセットになっています。追加機材なしで始められるため、「とにかく今すぐ録音したい」という方に向いています。

【中級者向け】2万〜5万円台:音質にこだわりたい方に

製品名 種類 接続 参考価格 特徴
Audio-Technica AT2035 コンデンサー XLR 約15,000〜18,000円 AT2020の上位機種。低域ロールオフ・−10dBパッドスイッチ搭載
RODE NT1 コンデンサー XLR 約30,000〜35,000円 自己雑音わずか4dB-A。非常に静粛なノイズフロア
SHURE SM7B ダイナミック XLR 約50,000〜55,000円 プロ放送局でも使用。声の存在感を際立てる中域特性
Blue Yeti X コンデンサー USB 約18,000〜22,000円 4種の指向性切替可能。ヘッドホンモニタリング端子内蔵

RODE NT1は、自己雑音4dB-Aという驚異的な低ノイズ性能が特徴のコンデンサーマイクです。ブレスや細かい声のテクスチャーをリアルに収音でき、本格的に歌ってみたを続けたい方にとって長期間使えるモデルです。付属のSMRショックマウントも高品質で、振動ノイズの対策も万全です。

SHURE SM7Bはダイナミックマイクながらプロのボーカルレコーディングでも使用されるモデルです。5万円台とやや高価ですが、防音が不十分な環境でもクリアな声を収音できるため、自宅録音派に根強い人気があります。Michael Jacksonの「Thriller」のレコーディングでも使用されたとされる伝説的なモデルです。

【上級・本格志向】5万円以上:プロクオリティを目指す方に

製品名 種類 接続 参考価格 特徴
Neumann TLM102 コンデンサー XLR 約65,000〜75,000円 プロスタジオ仕様。存在感のある声を丁寧に収音
AKG C414 XLII コンデンサー XLR 約85,000〜95,000円 9種の指向性パターン。多用途かつ高音域の抜けが美しい

Neumann TLM102は、ドイツのNeumann社が手掛けるプロフェッショナル向けコンデンサーマイクです。最大音圧レベル144dB SPLと高い耐入力性を持ち、声量のある歌声もクリアに収音します。歌ってみたの枠を超え、将来的にレコーディングスタジオに持ち込める機材を求める方に向いています。

マイクと一緒に揃えたい周辺機材|最小構成と推奨構成

マイクだけ買っても、接続方法や周辺環境が整っていなければ良い録音はできません。以下に最小構成と推奨構成をまとめました。

最小構成(USB接続マイク使用時)

  • USB接続コンデンサーマイク(例:Blue Snowball iCE)
  • マイクスタンド(卓上型でも可)
  • ポップフィルター(「ぱ行・ば行」などの破裂音を抑える)
  • DAWソフト(GarageBand無料、Logic Pro約32,000円、Audacity無料など)

総額目安:約7,000〜15,000円

推奨構成(XLR接続マイク使用時)

  • XLRコンデンサーマイク(例:AT2020)
  • オーディオインターフェース(例:Focusrite Scarlett Solo 約15,000〜18,000円)
  • ブームマイクスタンド(卓上より安定感あり)
  • ポップフィルター
  • モニターヘッドホン(例:Audio-Technica ATH-M20x 約5,000〜7,000円)
  • XLRケーブル(3m程度、約1,000〜2,000円)
  • DAWソフト

総額目安:約30,000〜50,000円

オーディオインターフェースは、マイクの信号をPCに取り込むための機器です。Focusrite Scarlett SoloSteinberg UR22Cが入門〜中級者に人気の定番モデルです。DTMや歌ってみたを本格的に続けたい方は、最初から推奨構成で揃えることをおすすめします。

歌ってみたの制作・ミックスについてより深く学びたい方は、コアミュージックスクールのDTM・作曲講座もご参照ください。Logic ProやDAWを使ったボーカル録音・ミックスの実践的なスキルを身につけることができます。

録音環境の整え方|マイクの性能を最大限に引き出すコツ

いくら高性能なマイクを購入しても、録音環境が悪いと本来の音質を発揮できません。自宅録音で意識したいポイントをまとめます。

部屋の反響(残響)対策

コンクリートや木の床に囲まれた部屋は音が反響しやすく、録音に「こもり感」が出てしまいます。簡易的な対策として、以下の方法が有効です。

  • クローゼットや押し入れの中で録音する(衣類が吸音材の役割を果たす)
  • 厚手のカーテン・毛布をマイクの背後に吊るす
  • 吸音パネルをマイク周辺に設置する(市販品で1枚1,000〜3,000円程度)
  • 録音中はエアコン・換気扇など機械音を出す機器をオフにする

マイクのセッティング

  • 口とマイクの距離:15〜20cm程度が基本(近すぎると低音が過剰に増す「近接効果」が発生)
  • マイクの高さ:口の高さに合わせるか、わずかに上方向に傾ける
  • ポップフィルターはマイクヘッドから約5〜10cm離れた位置に設置
  • 床の振動がマイクスタンドに伝わらないよう、ショックマウントを使用する

奥津 ユキ(ボーカル・ピアノ・サックス・フルート・DTM(Logic)講師)より:

私が現場で何度も見てきたのが、「マイクを買ったけど声が薄い」という悩みです。実はこれ、多くの場合はマイクゲインの設定が低すぎることが原因です。オーディオインターフェースのゲインノブを調整して、録音波形がDAW上で−18dBFS〜−12dBFS程度に収まるようにするのが目安です。歌っている最中の最大音量で波形が0dBFSに達してしまう(クリッピング)と、音が割れてしまいます。この調整をレッスンで一緒にやるだけで、録音の仕上がりが格段に変わります。

歌ってみたのボーカル録音で押さえたい歌唱のポイント

マイクや機材を揃えたら、次は歌唱そのものの質を上げることが重要です。どんなに高価なマイクを使っても、歌の基礎力がなければ魅力的な音源にはなりません。

録音に向いた発声を身につける

ライブとレコーディングでは、求められる声の質が異なります。録音では息の流れとリラックスした発声が重要です。喉に力が入った状態で録音すると、高い周波数帯域(4kHz〜8kHz付近)に不快なキャラクター(「ちりちり感」)が乗りやすくなります。

発声の基礎を固めるためには、腹式呼吸・支え・共鳴の概念を理解することが近道です。例えば、YOASOBIの「夜に駆ける」やAdoの「うっせぇわ」のような幅広いダイナミクスを持つ楽曲を歌ってみたで録音する場合、ピアノ(弱音)からフォルテ(強音)まで安定した声量コントロールが必要です。これは一朝一夕には身につかないため、継続的なボイストレーニングが効果的です。

ピッチの安定とビブラート

録音した音源を聴き返すと、ライブでは気にならなかったピッチのゆれが目立つことがあります。録音はごまかしが効かないため、音程の精度を上げるトレーニングが必要です。チューナーアプリ(例:GStrings、TunerT)を使いながら、ロングトーンで安定したピッチをキープする練習を1日10〜15分程度続けることが有効です。

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マイク選びのまとめと予算別おすすめ

ここまでの内容を整理して、目的・予算ごとのおすすめを簡潔にまとめます。

こんな方に おすすめモデル 予算目安(マイクのみ)
まず試してみたい・機材費を抑えたい MAONO AU-A04 / Blue Snowball iCE 5,000〜8,000円
音質にこだわりたい入門〜中級者 Audio-Technica AT2020 / AT2035 9,000〜18,000円
防音環境が十分でない自宅録音 SHURE PGA48 / SHURE SM7B 5,000〜55,000円
本格的な録音クオリティを求める RODE NT1 / Neumann TLM102 30,000〜75,000円
多用途・長期使用を想定 AKG C414 XLII / Blue Yeti X 18,000〜95,000円

最初から高価なマイクを購入する必要はありません。まずはAT2020とFocusrite Scarlett Soloの組み合わせで始め、自分の声やスタイルが固まってきたらステップアップするのが現実的な進め方です。機材への投資と並行して、歌唱力そのものを磨くことが、聴き手に響く歌ってみた音源を作る最短ルートです。

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