「ギターを立って弾いてみたいけど、ストラップって何を選べばいいの?」「座って弾くときと立って弾くときでフォームが変わってしまう…」——ギターを始めたばかりの方から中級者まで、ストラップ選びで意外と悩む方は多いです。たかだか「紐」と思いきや、ストラップの長さや素材は弾きやすさや姿勢、さらには上達スピードにまで影響します。
結論からお伝えすると、ギターストラップを選ぶ際に最初に確認すべきポイントは①長さ調節の幅、②素材の滑り止め性能、③取り付け方式の互換性の3点です。価格帯は700円〜15,000円と幅広いですが、初心者には1,500〜3,000円台のナイロン製またはポリエステル製ストラップが扱いやすく、コストパフォーマンスも高いです。この記事ではコアミュージックスクールの現役プロ講師の現場知見も交えながら、ストラップ選びの全ポイントを具体的に解説します。
ギターストラップが演奏に与える影響
ストラップは「ギターを落とさないためのもの」と思われがちですが、実際には演奏姿勢・フォーム・疲労感に直結する重要なパーツです。特に立って演奏するライブやセッションでは、ストラップの長さ一つでコードの押さえやすさが大きく変わります。
座奏と立奏のフォームの差を埋める役割
クラシックギターのように座って弾く場合と、エレキやアコギで立って弾く場合では、ギター本体の位置が変わります。座奏時にちょうど良いポジションを立奏時にも再現するには、ストラップの長さを細かく調整する必要があります。多くのプロギタリストは「座っているときと立っているときでギターの位置が変わらないようにストラップを調整する」ことを基本としています。
たとえば、Fender Stratocasterのような比較的軽量なギター(約3.5kg)でも、長時間のライブで肩や腰に負担がかかります。ストラップがクッション性のある素材でないと、2〜3時間のパフォーマンス後には肩コリや腰痛につながることもあります。
ギターの重量とストラップ幅の関係
ストラップの幅は一般的に30mm〜100mm程度まで展開されています。重いギターには幅広のストラップが効果的で、Gibson Les Paulのような4kg前後の重量があるギターには、幅70mm以上のクッション付きストラップが推奨されます。幅が広いほど肩への圧力が分散され、長時間の演奏でも疲れにくくなります。
コアミュージックスクール 現役プロ講師(プロ講師)より:
私が実際にレッスンで生徒さんからよく聞かれるのが「ストラップって立って弾くときだけ使うものですよね?」という質問です。でも私は座って練習するときもストラップを使うことを勧めています。座奏でストラップを使うと左手が自然とフリーになり、余計な力でギターを支える必要がなくなります。結果、押弦の精度が上がり、特にFコードのような難関コードが格段に弾きやすくなるんです。これは教則本には書いていない現場ならではのコツです。
ギターストラップの素材別特徴と選び方
ストラップの素材は大きく分けて4種類あります。それぞれに長所・短所があるため、演奏スタイルや予算に合わせて選びましょう。
ナイロン・ポリエステル製(700円〜2,000円)
最もリーズナブルで入手しやすい素材です。軽量で洗濯可能なものも多く、汗をかいても乾きやすいため夏場のライブでも活躍します。ただし、表面が滑りやすいため、演奏中にギターがずれてしまうことがあります。滑り止め加工が施されたモデルを選ぶか、後述の「ストラップロック」と組み合わせて使用するとよいでしょう。
コットン・布製(1,000円〜4,000円)
適度な摩擦があり、肩へのフィット感が高い素材です。デザインバリエーションも豊富で、ヴィンテージテイストからカラフルなモデルまで揃います。Ernie Ballのポリプロ製ストラップ(約1,500円)はコットンに近い質感で、多くのプロミュージシャンも愛用しています。
レザー(本革)製(3,000円〜15,000円)
耐久性と高級感が特徴で、使い込むほど馴染んでくる素材です。Levy’sやD’Addarioなどのブランドが有名で、3,000〜5,000円台から本革ストラップを揃えています。表面に適度な摩擦があり、肩からズレにくい点もメリットです。ただし、重量があるため肩への負担が増す場合があります。
スエード・合皮製(1,500円〜5,000円)
スエードは滑り止め効果が高く、肩にフィットしやすいのが特徴です。合皮は本革より軽量で価格も抑えられます。Planet Wavesの合皮ストラップは2,000円前後で購入でき、コストパフォーマンスに優れています。
| 素材 | 価格帯 | 滑りにくさ | 耐久性 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| ナイロン・ポリエステル | 700〜2,000円 | △ | ○ | 初心者・練習用 |
| コットン・布 | 1,000〜4,000円 | ○ | ○ | ライブ・普段使い |
| レザー(本革) | 3,000〜15,000円 | ◎ | ◎ | 中〜上級者・ライブ |
| スエード・合皮 | 1,500〜5,000円 | ◎ | △〜○ | ライブ・ステージ |
ストラップの長さと調整方法
ストラップ選びで最も重要なのが「長さ」です。ギターの位置が高すぎると弦を押さえにくく、低すぎるとストロークが難しくなります。適切な高さの目安は、「立ったときにギターのボディが腰骨あたりに来る位置」です。
長さの基本目安
- 短め(90〜100cm):ギターを高い位置に構えたい方。コードワーク中心のプレイに向く。ウクレレや小型ギターにも対応。
- 標準(100〜120cm):最も一般的な長さ。座奏と立奏のポジション差が少ない。
- 長め(120〜145cm):ロック系ギタリストに人気。ギターをウエスト〜ヒップ付近に下げたいスタイルに。
市販のストラップは多くが70〜130cmの範囲で無段階調節が可能です。ただし、身長180cm以上の方や非常に長いストラップが必要な場合は、最大調節幅145cm以上のモデルを確認してから購入しましょう。
座奏時の長さ設定のコツ
座って練習するときにストラップを使う場合は、ギターのボディが太ももに乗った状態と同じ高さに来るよう調整します。このとき、ネックが床と平行〜やや上向き(約15〜30度)になるのが理想的なポジションです。これにより左手首への負担が軽減され、長時間の練習でも手首の疲労や腱鞘炎を防ぎやすくなります。
取り付け方式と安全対策:ストラップロックの重要性
ストラップの取り付けは、ギター本体にあるストラップピン(エンドピン)に引っ掛けるのが基本です。しかし、標準のピンだとライブ中の激しい動きでストラップが外れてしまい、ギターが落下するリスクがあります。これを防ぐための「ストラップロック」は、ある程度本格的に弾くなら必須のアイテムです。
ストラップロックの種類と価格
- Schaller S-Locks:業界標準のロックシステム。2個セットで2,000〜3,000円。信頼性が高く、多くのプロが使用。
- Dunlop Straplok:2個セットで2,000〜2,500円。取り外しが簡単で使いやすい。
- Ernie Ball スーパーロック:価格は約1,500円。コスパ重視の方に人気。
- ゴム製クリップ型:200〜500円。ストラップピンに輪ゴムを通すだけの簡易版。初心者の応急処置にも。
ストラップピンがないギターへの対応
アコースティックギターの中には、ヘッド側にストラップピンがなく、ネックとの接合部のみにピンがあるタイプがあります。この場合は、ヘッド部分にストラップの片端を紐で結びつける「ヘッド結び」という方法を使います。専用のヘッドタイアップストラップも販売されており、見た目もすっきりします。
コアミュージックスクール 現役プロ講師(プロ講師)より:
私が現場でよく目にするのは、ストラップロックなしでライブに出てギターを落としそうになるケースです。私自身、駆け出しのころにライブでストラップが外れてひやっとした経験があります。特にSchallerのS-Locksは一度取り付ければほぼ外れないので、生徒さんには「初めてのライブ前に必ずつけてください」とお伝えしています。費用は2,500円ほどですが、大切なギターを守るための保険だと思えば安いものです。
ギターの種類別おすすめストラップ
エレキギター、アコースティックギター、クラシックギターでは最適なストラップが異なります。それぞれの特徴に合わせて選びましょう。
エレキギター向け
エレキギターはボディの形状が複数あり、ストラップピンの位置もモデルによって異なります。Les Paulのように重量のあるギターには、幅70mm以上・クッション付きのレザーストラップが適しています。Stratocasterのような軽量モデルには、幅50mm前後のコットン製でも十分です。また、エレキの場合はシールドケーブルを這わせるためのケーブルクリップ付きストラップも利便性が高く、ライブ向けです。
アコースティックギター向け
アコギはボディが大きく、ストラップがずれやすい傾向があります。スエードや凹凸のあるコットン素材など、摩擦の大きい素材がおすすめです。長さは標準〜長めの設定で、ボディが安定しやすい位置を探しましょう。テイラーやマーティンなど有名ブランドのアコギには、そのブランドが推奨するストラップも販売されており、見た目の統一感もあります。
クラシックギター向け
クラシックギターは本来ストラップを使わず脚に乗せて演奏しますが、立って演奏する場合は専用のサウンドホール固定タイプのストラップが必要です。通常のストラップピンがないため、サウンドホールに引っ掛けるタイプ(例:Kyser Guitar Strap)を使うと取り付けが簡単です。
ストラップのデザイン・幅の選び方と失敗しないコツ
機能面だけでなく、見た目もモチベーションに直結します。ただし、デザインばかりを優先して機能性を犠牲にするのは避けましょう。
幅の選び方
- 30〜40mm幅:スリムでスタイリッシュ。軽量ギター向け。長時間使用では肩に食い込む場合も。
- 50〜60mm幅:最もスタンダード。エレキ・アコギ問わず使いやすい。
- 70mm以上:重量ギターや長時間演奏に最適。クッション付きなら疲労軽減効果が高い。
デザイン選びのポイント
ストラップのデザインはギターとのコーディネートを考えるとステージ映えします。例えば、黒のエレキギターにはシンプルな黒レザーストラップがスタイリッシュで、ナチュラル系のアコギには布製のエスニック柄ストラップが合わせやすいです。ただし、派手な刺繍や装飾が施されたものは、素材が硬くなりやすく肩に当たる感触が変わることもあるため、実際に手に取って確認するのがベストです。
初心者が失敗しがちな選び方
- 長さ調節幅を確認せずに購入し、自分の体型に合わなかった
- 見た目だけで選んだら表面が滑りやすく、弾くたびにギターがずれてしまった
- ストラップピンの太さと合わず、取り付けられなかった(ピン径は一般的に約6mm)
- 幅の狭いストラップを長時間使用して肩が痛くなった
ストラップを活用した上達のヒント
ストラップは選ぶだけでなく、正しく使うことで練習の質も上がります。コアミュージックスクールのレッスンでも、ストラップの使い方は早い段階で指導するポイントの一つです。
立ち姿勢での練習を取り入れる
本番がライブやセッションであれば、普段の練習も立って行うことが大切です。BPM80〜100程度のゆっくりしたテンポから立奏練習を始め、慣れてきたらテンポを上げていきましょう。座奏と立奏でフォームが崩れていないか、鏡やスマートフォンの自撮りを活用して確認するのが効果的です。
ストラップ調整の時間を惜しまない
ストラップの長さ調整は、最初の数回は時間がかかりますが、自分にぴったりの位置を見つければその後は迷わなくなります。目安として、10分程度かけてじっくりと自分に合うポジションを探すことをおすすめします。このひと手間が、将来的な姿勢の崩れや腱鞘炎予防につながります。
ギター上達はレッスンで加速する
ストラップの選び方や使い方も含め、ギターの基本フォームは独学では気づきにくいクセがつきやすいポイントです。コアミュージックスクールでは、現役プロ講師がマンツーマンで一人ひとりのフォームや姿勢からチェックしています。ギターだけでなく、ボーカル講座やDTM・作曲講座など9つのコースを展開しており、総合的な音楽力を身につけられます。
まとめ:自分に合ったストラップで演奏の幅を広げよう
ギターストラップ選びのポイントを改めて整理します。
- 素材:初心者はナイロン・コットン製(1,000〜2,000円)から。慣れたらレザーやスエードにアップグレードも検討。
- 長さ:標準(100〜120cm)を基準に、体型やプレイスタイルに合わせて調節。
- 幅:ギターの重量に合わせて選ぶ。重いギターには70mm以上のクッション付きを。
- 安全対策:ストラップロック(Schaller・Dunlopなど)の導入でギター落下リスクを防止。
- デザイン:機能を満たしたうえで、自分のスタイルに合ったものを選ぶ。
ストラップ一つで演奏のしやすさ・楽しさが変わります。まずは1,500〜2,500円台の製品を実際に手に取って、長さや幅感を確かめることから始めてみてください。そして、正しい姿勢とフォームで演奏するためには、プロによるアドバイスが大きな力になります。
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