「歌うのは好きだけれど、顔を出すのはためらう」。カラーシングを始めようか迷っている方から、いちばん多く届く声です。この記事では、カラーシングの声だけの配信がどういうものなのか、顔出しなしでも不利にならない仕組み、必要な準備、そして続けるうえでの工夫までを、公式に確認できる範囲の事実にしぼって整理します。
カラーシングの「声だけ配信」とは何か
カラーシングは、歌に特化したライブ配信アプリです。アプリの中にあるカラオケ音源に合わせて歌い、その様子をリアルタイムで配信できます。運営はColorSing株式会社です。
この配信を、カメラに自分の顔を映さずに行うのが、いわゆる「声だけ配信」です。顔ではなく、イラストや静止画などを画面に置いて、歌と声だけでリスナーとやりとりします。
なお、カラーシングで配信をするには「Lシンガー」になる必要があります。Lシンガーとは、運営の審査を通過して配信できるようになった人のことで、視聴だけなら審査は要りません。この違いについてはLシンガーとは?カラーシングで配信するために必要な資格で詳しく書いています。
顔出しなしでも不利にならない理由|リーグが4部門に分かれている
声だけで始める人が最初に心配するのが、「顔を出している人に埋もれてしまうのではないか」という点です。ここは、カラーシングの仕組みを知っておくと安心できる部分です。
カラーシングには「リーグ」という仕組みがあります。リーグは1から始まり、毎日おこなわれる昇格戦で上がっていきます。降格はありません。詳しくはカラーシングのリーグとは?昇格戦の仕組みにまとめました。
そして重要なのが、リーグ帯が「性別 × 顔出し/声だけ」の4つの部門に分かれているという点です。つまり、声だけで配信している人は、声だけで配信している同性のシンガーの中で競うことになります。顔出しをしている人と同じ土俵に放り込まれる設計ではありません。
| 部門の分かれ方 | 意味 |
|---|---|
| 性別 | 男性・女性で分かれる |
| 顔出し / 声だけ | 顔を映すかどうかで分かれる |
| 組み合わせ | この2軸の掛け合わせで、合計4部門になる |
「顔を出さないと勝負にならない」という前提が、そもそも制度として置かれていない、ということです。顔出しに抵抗がある方にとっては、この一点だけでも検討する価値があります。
必要な機材や始め方を、始める前に確認できる窓口があります。 質問できる内容と、連絡後の流れを見る →
【公式】カメラを起動しない声だけ配信の設定
ColorSingには、カメラを起動せず顔を映さない「声だけ配信」が公式機能として用意されています。
配信開始時に表示されるダイアログで、声だけLシンガーを設定すると、カメラが起動せず顔を映さない「声だけ配信」が可能です。
プロフィール上には声だけLシンガーマークが表示されます。
希望しない場合は設定をスキップしてください。
※声だけ配信でカスタム背景を設定しない場合は、プロフィール写真(アイコン画像)が配信画面に表示されます
声だけ配信(声だけLシンガー設定)
のLシンガーが、マイクの許可をしてない場合
→
設定よりマイクの許可を確認してください
設定するとプロフィールに声だけLシンガーマークが表示され、配信開始時にカメラは起動しません。希望しない場合は、配信開始時の設定をスキップできます。
Lシンガーは、プロフィール編集または配信開始時のダイアログで声だけ設定を確認します。17歳のLシンガーは声だけ配信のみ利用できるため、年齢制限FAQもあわせて確認します。声だけ配信でカスタム背景を設定しない場合は、プロフィール写真が配信画面に表示されます。配信前にマイク許可をオンにし、プロフィール写真またはカスタム背景が意図した表示になっているかを確認してください。
声だけ配信に必要なもの
特別な機材をそろえる必要はありませんが、カラーシングには「これがないと始まらない」という条件がいくつかあります。順に確認します。
- iPhone:配信はiOS端末からのみ可能です。Android端末では視聴はできますが、配信はできません。
- 有線イヤホン:歌唱時にBluetoothイヤホンは使えません。有線のものが必要です。理由と選び方はカラーシングで有線イヤホンが必須な理由と選び方で解説しています。
- 18歳以上であること:18歳未満は、保護者の同意があっても利用できません。
- LINEまたはAppleアカウント:サインインに使います。
- 静かに歌える場所と時間:深夜1:00〜1:30は配信できない時間帯です。
逆に言えば、これ以上のものは必須ではありません。「まずスマホだけで足りるのか」という点はカラーシングの配信に必要な機材は?で詳しく扱っています。声だけで始めるなら、照明もカメラ映えも考えなくていいぶん、準備はむしろ軽くなります。
声だけだからこそ効く4つの工夫
1. 声の届き方を整える
顔が映らないぶん、情報の入り口は声だけになります。マイク(多くの場合スマホ本体か有線イヤホンのマイク)との距離が近すぎたり遠すぎたりすると、それだけで聞きづらくなります。有線イヤホンをつけていれば自分の声を確認しながら歌えるので、配信を始める前に一度、録音して聞き返してみることをおすすめします。自分の耳で聞いている声と、相手に届いている声は違うからです。
2. 「間」を言葉で埋める
顔出しの配信なら、うなずいたり笑ったりするだけで場がつながります。声だけの場合、その沈黙がそのまま無音になります。曲の合間に「次はこの曲を歌います」「さっきのコメント、ありがとうございます」と、状況をひとこと言葉にする癖をつけると、聞いている側は置いていかれません。
3. 画面に何を置くかを決めておく
顔が映らないぶん、画面には別のものが映ります。イラスト、写真、シンプルな背景など、何を置くかで印象は変わります。凝ったものを用意する必要はありませんが、「毎回同じものが出てくる」状態にしておくと、リスナーが一覧の中から見つけやすくなります。逆に毎回変わっていると、覚えてもらうまでに時間がかかります。どんな画像を設定できるかはアプリの仕様によるので、実際の設定画面で確認してください。
4. 歌と雑談のバランスを取る
カラーシングでは、1時間の配信で3〜6曲程度、歌と雑談は半々くらい、という進め方が推奨されています。歌だけを詰め込むより、この配分を意識したほうが結果的にリスナーが残りやすい設計になっています。
これは感覚論ではなく、スコアの作られ方とも関係します。カラーシングの「ライブスコア」は、ギフト利用のボリュームがベースになりつつ、「コメント」「視聴」「いいね」「ギフト使用」それぞれの総数・人数・継続した人数が加点される仕組みです。つまり、会話が生まれて人が残ることそのものが積み上がります。顔が映っていなくても、ここは十分に積めます。仕組みの分解はカラーシングのライブスコアとは?をご覧ください。
声だけでも報酬は発生するのか
ここも誤解が多いところです。「顔を出さないとギフト(投げ銭)がもらえないのでは」と心配される方がいますが、カラーシングの報酬には、投げ銭に依存しない部分があります。
カラーシングの報酬は「ダイヤ」という単位で、次の3種類があります。いずれも、リスナーがギフトを使わなくても発生する活動報酬です。
| 種類 | どう発生するか |
|---|---|
| 歌ダイヤ | 1曲歌うごとに獲得。翌日の早朝5時までに付与される |
| 雑談ダイヤ | 歌唱中以外の時間について、配信1時間あたりで獲得。同じく翌日早朝5時までに付与 |
| 継続報酬ダイヤ | 配信すると将来に向けて積み立てられ、配信の半年後〜1年半後の各旬ごとに、一定条件を達成すると各旬末に分割で受け取れる |
つまり、「歌った」「配信した」という行為そのものが報酬の対象になっています。顔を出しているかどうかは、この3種類の発生条件には関係しません。仕組みの詳細はカラーシングの報酬制度を図解にまとめています。
受け取ったダイヤは換金申請をして現金化します。換金レートは3段階で、1〜3万ダイヤは0.6円、3〜5万ダイヤは0.8円、5万ダイヤ以上は1円です。まとめて換金するほどレートが上がる設計ですが、ダイヤの有効期限は180日なので、寝かせすぎると失効します。このバランスの取り方はカラーシングの換金レートはなぜ3段階?で扱いました。
🚨 ここは間違えやすいところです。換金レートはダイヤ数だけでは決まりません。ダイヤ数の条件と、過去半年の最大リーグの条件の両方を満たす必要があります(0.8円にはリーグ15以上、1円にはリーグ25以上)。公式FAQにも「条件1と2の両方の条件を満たすとより高い換金レートで交換が可能です」と書かれています(換金に必要なダイヤ数)。たとえば5万ダイヤをためても、過去半年の最大リーグが25に届いていなければ1円にはならず、0.8円または0.6円になります。自分の場合いくらになるかはダイヤ換金シミュレーターで計算できます。
なお、実際にいくらになるかは活動量によって人それぞれです。金額を約束する情報を見かけたら、いったん距離を置いたほうが安全だと考えています。
デメリットも正直に書いておく
いいことばかりではありません。声だけ配信には、次のような負荷があります。
- 表情で補えない:うれしい・照れている・冗談で言っている、といったニュアンスを、全部声と言葉で出す必要があります。慣れるまでは疲れます。
- 雑音が目立つ:映像がないぶん、生活音や環境音が相対的に大きく感じられます。
- 途中で顔出しに変えたくなったとき:部門の扱いがどうなるかは制度に関わる部分なので、切り替えを考えるときはアプリ内の案内や公式FAQで最新の情報を確認してください。ここで推測を書くべきではないと考えています。
また、「顔を出したほうが伸びる」「声だけのほうが伸びる」と断言できる根拠は、公式に公開されている情報の中にはありません。どちらが向いているかは人によります。無理に顔を出して続かなくなるより、続けられる形を選ぶほうが現実的です。
審査も声だけのまま受けられる
Lシンガーになるための審査は、一次審査と二次審査に分かれています。二次審査では3日間の「おためし配信」を行い、3旬以内にリーグ25以上に到達すれば通過です(「旬」は上旬=1〜10日、中旬=11〜20日、下旬=21日〜末日を指します)。
この流れは声だけでも同じです。おためし配信は連続した3日である必要はなく、実際に配信した日だけがカウントされます。詳しい設計はカラーシングのおためし配信とは?にまとめました。
なお、事務所に所属しても審査基準が変わって有利になることはない、というのが運営の公式見解です。「事務所に入れば通りやすい」という説明を見かけたら、そこは疑ってよい部分です。
事務所に入るかどうかは、あとから決めていい
先に立場を明かしておくと、私たち自身もカラーシングの事務所(コアミュ)を運営しています。ですので以下は、そのうえで読んでください。
声だけ配信をするうえで、事務所への所属は必須ではありません。フリー(無所属)のまま活動を続けている方はたくさんいますし、それは十分に正当な選択です。誰にも相談せず自分のペースで進めたい人にとっては、そのほうが快適なこともあります。
一方で、声の出し方や選曲について話せる相手がほしい、贈り物の受け取りに自宅の住所を使いたくない、といった事情がある場合は、事務所という選択肢が出てきます。判断材料はカラーシングの事務所には入るべき?に、メリットとデメリットの両方を並べてあります。
参考までに、私たちのコアミュは顔出しなしの声だけ配信も歓迎していて、母体が音楽教室(2011年〜)なので現役のボイストレーナーが在籍しています。ファンからの贈り物を事務所の住所で受け取って本人に転送する運用もあるため、自宅の住所を伝えずに済みます。ただ、事務所選びは相性の問題も大きいので、他社と並べて比較したうえで決めてください。判断の観点はカラーシングの事務所の選び方にまとめてあります。
声だけなら、そろえなくていいものがはっきりします
顔を出さないと決めた時点で、機材の買い物リストは短くなります。照明もリングライトも要りません。この判断ができるだけで、初期費用は一段下がります。
| もの | 声だけ配信では | 理由 |
|---|---|---|
| 照明・リングライト | 不要 | 映像を出さないため |
| 背景・部屋の見た目 | 不要 | 散らかっていても問題ありません |
| マイク付きの有線イヤホン | 必須 | Bluetoothは歌とBGMがずれるため使えません |
| スマホスタンド | あると楽 | 配信中にカラオケの選曲操作をするためです |
| 部屋の反響対策 | 効いてくる | 声だけの分、音質の印象がそのまま評価になります |
注意したいのは、スタンドだけは声だけ配信でも役に立つという点です。顔を映さなくても、手に持ったままだと選曲のたびに姿勢が崩れ、マイクと口の距離が動いて音量が上下します。置いて歌えるようにするだけで、声の安定感は変わります。
逆に、声だけだからこそ効いてくるのが部屋の響きです。硬い壁に正面から向かって歌うと、跳ね返った声がマイクに戻って輪郭がぼやけます。カーテンのある側を向く、ラグを敷くといった配置の工夫から試してみてください。機材の全体像はColorSingの機材は何が必要?、声が小さいときの確認はマイク設定の確認手順にまとめています。
声だけ配信が向いているのはどんな人か
最後に、これまでの内容をふまえて整理します。次のような方は、声だけという選択が合っている可能性があります。
- 職場や学校の関係で、顔が出ることを避けたい
- メイクや部屋の映り込みを気にせず、思い立ったときに配信したい
- 見た目より歌や声そのもので聴いてもらいたい
- 40代・50代で、いまさら顔出しは気が進まないが歌は続けたい
逆に、リアクションを表情で伝えるのが得意な方や、ダンスや楽器演奏など見せたいものがある方は、顔出しのほうが力を発揮しやすいかもしれません。どちらが優れているという話ではなく、自分の資源をどこに置くかという選び方の問題です。
顔を出さずに配信する場合、声そのものが入口になります。試し聴きの仕組みはColorSing新タイムラインとは?試し聴きの3パターンとLシンガー側の設定を解説にまとめています。
映像を使った企画をしたい方はColorSingのYouTube同時視聴とは?使い方・再生できる動画・禁止事項を詳しく解説で解説しています。
まとめ
カラーシングの声だけ配信について、押さえておきたい点をまとめます。
- 声だけ配信とは、顔を映さずに歌とトークで配信する形
- リーグ帯は「性別 × 顔出し/声だけ」の4部門に分かれているため、顔出しの人と直接競う設計ではない
- 必要なのはiOS端末・有線イヤホン・18歳以上であること。Bluetoothイヤホンは歌唱時に使えない
- 顔が映らないぶん、声の届き方と言葉での実況が効く。歌と雑談は半々、1時間に3〜6曲が推奨バランス
- 審査の基準は顔出しでも声だけでも同じ。事務所所属で有利になることはない(運営の公式見解)
- 事務所に入るかどうかは、始めてから決めても遅くない
顔を出さないことは、妥協ではなく選択肢のひとつです。声で勝負したい方にとって、カラーシングは比較的フェアな設計になっていると言えます。細かい仕様は更新されることがあるので、最終的な確認は公式のFAQでお願いします。
監修
監修:奥津ユキ(コアミュージックスクール講師)
ボーカル・ピアノ・サックス・フルート・DTM(Logic)を担当。解剖学、発声学など多岐にわたる知見を活かし、ボーカリスト・インフルエンサーを含む延べ数百名のボイストレーニングを担当。



