「カラーシング マイクなし」で調べている方の質問は、実は2種類に分かれています。
ひとつは「卓上に立てる立派なマイクを買わずに配信できますか?」。もうひとつは「イヤホンも何も挿さずに、スマホ本体だけで配信できますか?」。この2つは答えがまったく違います。ここが混ざったまま検索しているので、読んでも解決しないのです。
結論から言います。外付けマイクは不要です。買わなくてかまいません。 ただし歌う場面では、マイク付きの有線イヤホンの接続が公式に求められています。この1本(2,980円・2026年8月時点/Apple公式サイトのEarPods)だけは、用意してください。
この記事では、「マイクなし」で何ができて何ができないのかを線引きしたうえで、イヤホンが必要な本当の理由——録音のためではなく、あなたが自分の声を聴くために必要だという話を、声を教える立場からお伝えします。
この記事は、コアミュージックスクールのボーカル講師・奥津ユキ(ボーカル/ピアノ/サックス/フルート/DTM)の監修のもと作成しています。
結論:「外付けマイクなし」はOK、「イヤホンなし」は歌の場面で止まる
ColorSing公式FAQの原文を見てみます。選曲しようとしたときに出るダイアログには、こう書かれています。
「Bluetoothイヤホンの場合、歌とBGMに大きくズレが生じます。マイク付きの有線イヤホンを接続してください」
ここで求められているのは「マイク付きの有線イヤホン」であって、据え置き型のマイクではありません。イヤホンのコードに付いている小さなマイクが、そのままあなたの歌用マイクになります。 別売りのマイクを買う必要はありません。
一方で、この一文は「有線イヤホンを接続してください」と明確に指示しています。歌う場面については、イヤホンを外した状態は公式の想定外だと考えるのが安全です。
できること・できないこと 早見表
| 状態 | 視聴 | 配信の開始 | カラオケで歌う |
|---|---|---|---|
| 外付けマイクなし+有線イヤホンマイクあり | できる | できる | できる |
| Bluetoothイヤホン(AirPodsなど) | できる | できる | できない(選曲がブロックされる) |
| イヤホンを何も挿していない | できる | できる | 公式は有線イヤホンの接続を求めています |
| Android端末 | できる | できない | できない |
Android端末は視聴のみで、配信はできません。また公式の推奨環境では、タブレット類も推奨外とされています。配信はiPhoneで行ってください。
必要な機材や始め方を、始める前に確認できる窓口があります。 質問できる内容と、連絡後の流れを見る →
Bluetoothイヤホンだと、なぜ歌えないのか
「ワイヤレスでも音は入るのに、なぜダメなのか」とよく聞かれます。公式FAQの原文は「ColorSingでは、Bluetoothイヤホンをサポートしておりません。」で、理由も明記されています。歌とBGMに大きくズレが生じるからです。
音質の問題でも、機材の相性の問題でもありません。遅延です。Bluetoothは音を電波に載せて飛ばすため、耳に届くまでにわずかな時間がかかります。会話なら気になりませんが、伴奏に合わせて歌うときは話が別で、自分では合わせているつもりでもリスナーに届く音がずれていきます。
そしてColorSingは、Bluetooth接続中はカラオケの選曲そのものをブロックします。「配信は始まったのに曲が選べない」という相談のほぼすべてがこれです。まずイヤホンの接続を確認してください。
イヤホンを挿していないと、使えなくなる機能
イヤホン未接続の状態では、ColorSing側で使えなくなる機能があります。公式FAQで確認できるものは次のとおりです。
- カラオケリモコンパネルの「その他詳細設定」が表示されない/ここにノイズキャンセリングと「BGM音量かさ増し」の設定が入っています
- 「自分だけBGM音量かさ増し」が自動でオフになる/初期状態ではオンの機能です
- YouTube同時視聴が使えない
「設定項目が見つからない」という質問の多くは、故障でも不具合でもなく、単にイヤホンが挿さっていないだけです。
【公式】外付けマイクなしとイヤホン未接続は別
公式FAQには外付けマイクがない場合の構成が示される一方、イヤホン未接続時には表示されないカラオケ設定があります。
外付けマイクがない場合
Apple純正の有線イヤホン(EarPods with Lightning Connector)
その他詳細設定
BGM音量のかさ増しや、ノイズキャンセリング設定を表示できます
※イヤホン未接続時には表示されません
したがって、「外付けマイクを買わない」ことと「イヤホンを接続しない」ことは同じではありません。外付けマイクなしの公式例は、マイク付き有線イヤホンを使う構成です。
Lシンガーは、Bluetoothを切り、マイク付き有線イヤホンを接続してから選曲します。接続後は、歌詞表示右上の「・・・」からカラオケリモコンパネルを開き、ボーカル音量、自分の声の返し、その他詳細設定が表示されるかを確認してください。その他詳細設定ではノイズキャンセリングも切り替えられます。
【講師の視点】イヤホンが必要な本当の理由は「聴くため」です
ここからが、公式FAQには書かれていない部分です。
イヤホンマイクは「声を録るための道具」だと思われがちですが、歌配信では「自分の声を聴くための道具」としての役割のほうが大きいと考えています。ColorSingには「自分の声の返し」という機能があり、歌っている自分の声をイヤホンで確認しながら歌えるようになっています。
この返り(モニター)がない状態で歌うと、レッスンでもよく見る現象が起きます。
①伴奏に負けまいとして、必要以上に張り上げてしまう
スピーカーから流れる伴奏を耳で聞きながら歌うと、人は自然と伴奏より大きな声を出そうとします。結果、喉に力が入り、声が硬くなる。しかもマイクには近いので、リスナーには「ただ大きくて余裕のない声」として届きます。自分は頑張っているのに、届く音がいちばん良くないという損な状態です。
②音程が上ずる/下がる
自分の声は骨伝導でも聞こえているため、実際より低く聞こえます。返りがないと、その内側の声だけを頼りに音程を取ることになり、無自覚に上ずったり、逆に押しすぎて下がったりします。イヤホンで外から返ってくる自分の声を聴くと、この誤差がぐっと減ります。
③子音や息の処理が荒くなる
「サ行が刺さる」「息の音が大きい」といった細かい部分は、返りがないとまず気づけません。配信を録って後から聴いて落ち込む、という遠回りをすることになります。
つまり、イヤホンは音質のためというより、あなたの歌そのものを守るための道具です。2,980円の投資としては、かなり割のいい部類だと思います。
補足:片耳だけ外すのは、悪い癖ではありません
返りが強すぎて歌いにくいと感じる方は、片方の耳だけイヤホンを外してみてください。片耳で返りを、もう片方の耳で生の自分の声を聴くバランスは、歌い慣れていない段階ではむしろ安定します。慣れてきたら両耳に戻す、という順番で問題ありません。
「内蔵マイクだけでいける」と書いてある記事について
正直にお伝えします。スマホの内蔵マイクだけで足りるかどうかについて、ColorSing公式は可否を書いていません。
公式FAQ全体を通して確認できるのは、「歌唱時にはマイク付きの有線イヤホンを接続してください」という指示と、イヤホン未接続だと一部機能が使えなくなるという事実だけです。「内蔵マイクでOK」と断定している記事は、公式にない情報を書いていることになります。
当事務所としても、憶測で「大丈夫です」とは言えません。歌う予定があるなら、有線イヤホンを用意してください。 それがいちばん確実で、いちばん安い解決です。
マイクを買わずに、0円で今日始める手順
家にイヤホンがあるなら、今日から配信できます。確認するのは3点だけです。
- 線でつながっているか/ワイヤレスは不可です
- マイクが付いているか/コードの途中に小さなリモコンや突起があれば、たいていマイク付きです
- iPhoneの差込口に合うか/iPhone 15 / 16 / 16e / 17 / 17e / iPhone AirはUSB-C、iPhone 14以前とiPhone SE(第3世代)はLightningです
3番だけが合わない場合は、端子に合ったEarPods(2,980円・2026年8月時点)を買えば解決します。なお、Apple公式ストアで現在取り扱いのあるヘッドフォンジャック変換アダプタはUSB-C版(1,480円)のみで、Lightning版は検索結果に出てきません。変換で済ませようとするより、端子の合ったイヤホンを買うほうが安く確実です。
「外付けマイクを買わない」ことには、はっきりした利点があります
我慢して安く済ませる、という話ではありません。イヤホンマイク1本の構成には、機材を積んだ構成にはない強みが3つあります。
①準備が10秒で終わるので、配信の回数が増える
これがいちばん大きいです。ミキサーやコンデンサーマイクを使う構成だと、電源を入れて、ケーブルをつないで、音量を合わせて……と、歌い始めるまでに毎回数分かかります。この数分が、じわじわと「今日はいいか」を生みます。
ColorSingのリーグは毎日おこなわれる昇格戦で上がっていき、降格はありません。つまり、1回あたりの完璧さより配信した日数が効いてくる設計です。イヤホンを挿すだけで始められる状態は、この設計と非常に相性がいい。機材を減らすことが、そのまま活動量になります。
②うまくいかないときに、原因の切り分けが簡単
公式FAQには、イヤホンマイク・スピーカー・ミキサー等のアクセサリーに起因する不具合はサポート対象外である旨が明記されています。動作確認済みとされる製品についても「動作を保証するものではない」とされています。機材が増えるほど、自分で解決しなければならない範囲が広がるということです。
構成がイヤホン1本なら、疑うところは「挿さっているか」「有線か」「端子が合っているか」の3つだけです。
③場所を選ばない
電源も机も要らないので、静かな部屋さえあればどこでも配信できます。実家に帰省しているあいだも、旅行先でも、同じ環境が再現できます。据え置きの機材を組んでしまうと、その机の前でしか配信できなくなります。
よくある質問
Q. 歌わずに雑談だけの配信なら、イヤホンはいらないですか?
A. 公式が有線イヤホンを求めているのは選曲時と歌唱時です。ただしColorSingは歌に特化したアプリで、運営が示している推奨バランスも「1時間の配信で3〜6曲程度、歌と雑談は半々くらい」です。まったく歌わない運用は現実的ではないので、結局イヤホンは用意することになります。
Q. 外付けマイクなしだと、音質で不利になりませんか?
A. リスナーが「聞きづらい」と感じる原因は、音質そのものより音量が安定していないことと余計な音が入っていることのほうが多いです。イヤホンマイクは口との距離が変わらないので、音量は安定します。不利とは限りません。
Q. マイクなしで、Lシンガー審査は通りますか?
A. 審査の基準に機材の指定はありません。一次審査のあと、3日間の「おためし配信」を経て、3旬以内にリーグ25以上で二次審査通過という制度です(2024年9月11日以降)。最新の条件は公式FAQでご確認ください。
Q. Androidしか持っていません。
A. Androidは視聴のみ対応で、配信はできません。配信をするならiPhoneが必要です。
Q. イヤホンが壊れました。今日の配信はどうすれば?
A. 歌う場面では有線イヤホンの接続が求められるので、代わりの有線イヤホンを用意するまでは、無理に歌う配信を組まないほうが安全です。Bluetoothイヤホンでの代用はできません。
まとめ
- 「マイクなし」には2つの意味がある。外付けマイクなしはOK、イヤホンなしは別問題
- 公式が求めているのは「マイク付きの有線イヤホン」。イヤホンのマイクが歌用マイクになる
- Bluetoothが不可なのは歌とBGMのズレ(遅延)のため。接続中は選曲そのものが止まる
- イヤホン未接続だと「その他詳細設定」が出ないなど、使えない機能が出る
- イヤホンは録るためより聴くための道具。返りがないと張り上げ・音程のずれが起きやすい
- 内蔵マイクだけで足りるかは公式に記載なし。断定はできない
そもそもマイクが要るのかという話はカラーシングにマイクは必要?に、機材全体の考え方はColorSingの機材は何が必要?にまとめています。イヤホン選びで迷ったらカラーシングのイヤホンとカラーシングのイヤホンマイクとは?、声が入らないときはカラーシングのマイク設定をご覧ください。
ColorSing公認事務所「コアミュ」は、手数料0%・入会金や月会費なし・ノルマなしで運営しています。音楽教室「コアミュージックスクール」の現役講師が在籍しており、機材の相談だけでも大丈夫です。詳しくはコアミュの公式ページをご覧ください。
監修
奥津ユキ(コアミュージックスクール講師)
ボーカル・ピアノ・サックス・フルート・DTMを担当。



